【水泳】バタフライ金の瀬戸大也「常に萩野公介と優勝争いを」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之●写真 photo by Nakamura Hiroyuki

 いよいよ始まった、競泳パンパシフィック選手権。決勝レース開始直前には強い雨が降り、気温も17~18度と選手には厳しい条件となったが、2種目目、男子200m自由形で萩野公介が銀メダルを獲得し、4種目目の男子100m背泳ぎでは入江陵介がロンドン五輪金メダリストのマット・グレバース(アメリカ)にタッチ差で競り勝ち金メダルを獲得した。その日本チームのいい流れを断ち切ることなく、瀬戸大也が男子200mバタフライで金メダルを獲得し、初日を締めくくった。

国際大会で3度目の金メダルを獲得した瀬戸大也国際大会で3度目の金メダルを獲得した瀬戸大也 今年4月の日本選手権で初優勝を果たし、6月のヨーロッパグランプリ・モンテカルロ大会で出した1分54秒70は今季世界ランキング2位の記録。1位のチャド・レクロー(南アフリカ)が出場しないこの日のレースで瀬戸は、午前中の予選から自信に満ちたレースを見せた。2番手のレオナルド(ブラジル)に0秒04差の1分55秒29で泳ぎ、トップタイムでA決勝に進出した。

「公介は『勝てた!』と思ったのに2位になってしまったけど、その後に入江さんが金メダルを獲ったのでそれに続いていこうと思って。だからタイムはともかく『金メダルはしっかり獲る、負けないぞ』と思って泳ぎました」(瀬戸)

 そして決勝については、「前半から積極的に行った分、いつもよりきつくなったところもあるかもしれない」と言うようにラスト50mは少しラップを落したが、しっかりと粘り切って2位のレオナルドに0秒36差をつける1分54秒92で余裕の優勝を果たした。

「54秒前半は欲しかったけど、後半に粘ってしっかり金メダルを獲れたのは評価できると思います」

 笑顔でこう話す瀬戸が意識していたのは、ロンドン五輪と世界選手権を連覇している、同世代のレクローが4月に出している今季世界ランキング1位の1分54秒56だった。

「屋外プールでもその記録を抜いて、チャド(・レクロー)にインパクトを与えておきたかったですね。でもこの条件でも自己ベストとはトントンくらいで泳げているし、前半の100mは54秒69のベストラップで泳いでいるから。後半をしっかりまとめられるようになればベストは絶対に出ると思うので、それをアジア競技大会で実現したいですね」

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