【スピードスケート】ソチ五輪代表決定。男女ともにメダル獲得への期待大

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 12月27~29日のスピードスケートソチ五輪代表選考会が終わり、W杯前半戦の結果から内定が出ていた男女4選手を含め、男子7名、女子10名が選考された。

500m、1000mで圧倒的な力で優勝し、ソチ五輪ではメダルの期待がかかる小平奈緒500m、1000mで圧倒的な力で優勝し、ソチ五輪ではメダルの期待がかかる小平奈緒【女子代表】
小平奈緒(500、1000m)
辻麻希(500、1000m)
住吉都(500、1000m)
田畑真紀(1500m、パシュート)
菊池彩花(1500m、パシュート)
高木菜那(1500m、パシュート)
押切美沙紀(1500m、パシュート)
藤村祥子(3000、5000m)
穂積雅子(3000、5000m)
石沢志穂(3000、5000m)

 波乱の選考となったのは女子。11月のW杯カルガリー大会で2位になっていたチームパシュートを優先し、中距離の1500m4位までの選手を選んだために国別最大の10枠をオーバーし、4枠を獲得していた500mと1000mの短距離勢が3枠に減らされ、500m3位で1000m4位の神谷衣理那が外れた。

 女子の場合、W杯出場組が12月8日までの1カ月間でW杯4大会を連戦した疲労や、五輪選考会の力みもあって力を出し切れない選手がいた上に、ノーマークだった藤村祥子が3000mと5000mで優勝するなど、事前に設定した選考基準をクリアする選手が最大枠の10を超えた。そのために起きた不運だった。一方で、メダル獲得や入賞を狙える選手や種目を重視した選考ともいえるだろう。

 そして、女子のメダル候補といえば小平奈緒だ。今大会はバンクーバーで5位になった1500mの代表権が取れず、500mと1000mだけの出場を決めた。だがそれはW杯出場組として、時差調整も厳しい中で500mから1500mの3種目に出場し、15レースをこなすというハードなスケジュールだった影響もある。その疲労から「体がどこか目覚めていない」という状態だったが、500mと1000mでは圧倒的な力を見せつけた。

「道具の方はベストな物が準備できているし、夏にやってきたトレーニングは世界一だと思うから、その自信を持ってソチへ向かいたい」という小平。

 今後はハードなスケジュールも落ち着き、ソチ五輪前にある大会は、1月の世界スプリントだけでじっくり調整できる予定だ。

 500mではバンクーバー五輪優勝者であるイ・サンファ(韓国)が、今季W杯では7戦全勝と突っ走っているが、小平もそれを追う第2グループから抜け出せる手応えを感じている。さらに今季は7位が最高と苦戦している1000mも、メダル圏内に食い込む準備をしていく構想だ。

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