運命の12月。安藤美姫はソチ五輪に近づいている!?

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 11月3、4日の東日本選手権で2位に入り12月21日からの全日本選手権の出場権を獲得して、ソチ五輪への夢をつないだ安藤美姫()。東日本ではショートプログラム(SP)13位という想定外の発進ながらも、フリーではトップの得点を叩き出して存在感を示した。
※ソチ五輪の女子の枠は3。代表選考基準は、ひとりは全日本優勝選手が獲得。ふたり目は、全日本の2位、3位と、GPファイナルの表彰台最上位選手の中から選ばれ、3人目はふたり目の選考で漏れた者と、全日本終了時の世界ランキング上位3名とISU公認大会の得点上位3名の中から選ばれる

 その後、より良い練習環境を求め、9月に正式にコーチとなったボルター・リッゾ氏の地元、イタリアで練習を重ね、国際試合2試合を経て12月21日からの全日本選手権に臨むスケジュールを立てている。

 11月22、23日には、オーストリアのグラーツで開催された「アイスチャレンジ2013」に出場し、SPでは関東選手権を0・5点上回る56・78点を出して1位と上々の滑り出しだった。

グラーツでの「アイスチャレンジ2013」で、スピードのある滑りを見せた安藤美姫グラーツでの「アイスチャレンジ2013」で、スピードのある滑りを見せた安藤美姫 GOE(技の出来ばえ)で少し減点はされたが、3回転トーループ+2回転トーループの連続ジャンプと、不安を残している3回転ルッツを決め、さらに、滑りは今季これまでよりかなりスピードが増していた。また、筋力不足の影響で不安定だったスピンもスピードのある回転になり、中盤のフライングシットスピンとチェンジフットコンビネーションスピンは最高のレベル4に認定されている。

 安藤は、東日本選手権で「技術的な部分は練習できているので、あとは弱っている脚の筋肉の強化が第一。トレーニングもちゃんとできるようになったので、これからは氷上で強化して、氷の上でも自信を持てるようにしていきたい」と話していたとおり、イタリアでの練習で課題を少しずつ改善している姿を見せた。また、試合では成功しなかったが、SP前の公式練習では3回転+3回転も成功させていた。

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