【箱根駅伝】日体大、日大...予選会突破校にもチャンスあり。本大会は波乱の予感

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 藤田孝夫●写真 photo by Fujita Takao

集団で力走する日体大のメンバー。右端が主将の服部翔大集団で力走する日体大のメンバー。右端が主将の服部翔大 開幕戦の出雲駅伝で青山学院大が初優勝という波乱で始まった今季の大学駅伝。10月20日の箱根駅伝予選会で強さを見せつけたのは日体大だった。前回の箱根駅伝ではシード権獲得は確実と見られていながらも負の連鎖で19位に沈んだ。だがこの日は10人の合計が10時間04分47秒という好タイムで、2位帝京大に3分18秒差をつけての圧勝だった。

※予選会は各校の出場者の上位10人の合計タイムによって争われる

 一方、エース・村澤明伸が欠場した東海大は12位に終わり、初出場以来の連続出場記録が40回で途絶える波乱となった。ただし、それ以外はほぼ順当な結果になった。

●予選会成績と箱根駅伝への出場権を獲得した大学
1位 日本体育大学
2位 帝京大学
3位 中央学院大学
4位 大東文化大学
5位 上武大学
6位 神奈川大学
7位 日本大学
8位 法政大学
9位 東京農業大学

 今季から東農大のコーチになった谷口浩美が、「あそこは予選会に出てくるような大学ではないから」と言う日体大。エントリー14名の1万m平均タイムが29分16秒38と、予選会出場校の中では頭ひとつ抜けた存在だった。

 日体大の別府健至監督は、9月に入って状態が良くなってきた本田匠と矢野圭吾という28分台の記録を持つ3年生ふたりと4年生の福士優太朗を自由に走らせた。そして他のメンバーは、1万m28分37秒75の記録を持ち3年生ながら主将を務める服部翔大に引っ張らせる集団走という作戦をとった。

「服部は普段の練習でも引っ張っているので他の選手も安心して走れるし、彼の状態もそれほど良くなかったということもあるから。それに途中で気温が上がってペース変化を指示するような場合でも、服部はそういうことにもうまく対応できる選手」と、別府監督から評価される服部は、前の大集団が5㎞を15分0秒台前半、10㎞を30分前後で走るにもかかわらず、15分11秒、30分28秒と安定したペースで走った。15㎞までを抑え目で走ると、遅れずについてきた4人とともにラスト5㎞を14分台に上げてゴールした。

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