【柔道】初めての五輪も気負いなし。福見友子、堂々の金メダル宣言 (2ページ目)

  • 松瀬学●文 text by Matsuse Manabu
  • photo by Atsushi Tomura/AFLO SPORT

 よほど調子がいいのだろう。目標を定めた時の集中力、達成力には自信がある。動きがいい。技の連続、特に立ち技から得意の寝技に持ち込むスタイルが確立されてきた。

 世界のライバルといえば、北京五輪金メダルのA・ドゥミトル(ルーマニア)や昨年の世界選手権3位のS・メネセス(ブラジル)、E・チェルノビツキー(ハンガリー)、欧州選手権2位のC・フォン・スニック(ベルギー)あたりか。一番警戒すべきは、五輪本番に向けて調子を上げてきたベテランのドゥミトルだろう。

 福見は2009年にロッテルダム世界選手権で勝ったあと、10年東京、11年パリと世界選手権では決勝でいずれも浅見に敗れた。日本のふたりが抜けているカタチで、国際柔道連盟のポイントランキングでも1位の福見、2位の浅見が他を大きく引き離している。つまりは福見の実力は抜けている。

 もっとも、日の丸を背負っての五輪の舞台、何が起こるか分からない。重圧や緊張でからだが動かなくなることもあろう。広州アジア大会の決勝のごとく、うるさい相手だと攻めが鈍る危険性もある。ポイントは、どうしたって組み手争いである。

 どう重圧をはねのけ、自分のスタイルに持ち込むか。157センチとこのクラスでは身長が高い。組み手争いで優位に立てば、手足の長さを生かした投げ技や寝技による多彩な攻めが生きてくる。

 谷のことや、看板クラスのことを聞けば、「自分自身の人生だから」とぴしゃりと返された。「自分自身を見つめ直し、死ぬ気で頑張る。金メダルを獲る」と言い切るのだ。

 柔道女子48キロ級は7月28日。福見が順当に金メダルを獲得すれば、日本柔道陣に弾みがつくことになる。 

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