次々と快挙を達成。日本は「バドミントン王国」になれるのか (4ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • AP/アフロ●写真 photo by AP/AFLO

 そんなシニアの競技に対する姿勢の変化は、朴コーチ招聘と同時期に本格的な強化が始まったジュニアにも浸透した。高橋・松友もその流れに乗って育った例だが、ジュニア強化の結果が現れ始めたのは、ロンドン五輪に男子シングルスのエースとして出場した田児賢一の06年アジアジュニア優勝からだった。

 そこを皮切りに、12年には世界ジュニアで桃田が優勝し、男子ダブルスも2位になった。女子も奥原が優勝で、山口が2位、大堀彩が3位。さらに13年には山口が優勝して大堀が2位になると、14年は山口が連覇を果たして大堀が3位になり、男子ダブルスは2位、混合ダブルスも3位という結果を残した。

 昨年は決勝進出こそなかったが、個人6、団体1と史上最多7個の銅メダルを獲得するなどジュニアのいい流れが続いている。

 そんなジュニア勢の成長が、14年の男子国別対抗トマス杯の初優勝と女子ユーバー杯2位につながり、昨年は男女混合国別対抗のスディルマンカップでも、史上初のメダル獲得(2位)という結果になって表れているのだ。

 これまで五輪での日本のメダル獲得は、前回のロンドン五輪女子ダブルスの銀メダルのみ。ただ、ここ数年は中国が、世代交代やダブルスのペア組み替えなどでかつての絶対的な強さが影をひそめているだけに、リオでは日本も複数種目のメダル獲得が、期待できる状況だ。日本などバドミントンの快進撃は、まだまだ止まりそうにない。


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