【NBA】王者との再戦、キャブスは「万全なら」の仮説を証明できるか

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro  photo by AFLO

NBAプレーオフ2016@ファイナル展望

 2年連続同じカードとなった、クリーブランド・キャバリアーズ対ゴールデンステート・ウォリアーズのNBAファイナル。ともに東西カンファレンスの第1シードが勝ち上がった格好だが、物語の主人公をどちらに据えるかで、その見方は様変わりする――。

レブロン・ジェームズが見上げるNBAの頂点。掴み取ることはできるかレブロン・ジェームズが見上げるNBAの頂点。掴み取ることはできるか キャブスを主人公とするなら、それは、昨年の「仮説」を証明するための戦いだ。

 昨年のプレーオフは、ケビン・ラブ(PF)がファーストラウンドで、さらにカイリー・アービング(PG)がファイナル第1戦で離脱。「ビッグ3」のうちの2選手を欠く状態でレブロン・ジェームズ(SF)が孤軍奮闘するも、2勝4敗で力尽きた――。クリーブランドのファンは「たられば」を承知で、「ラブとアービングが健在ならば勝っていた」と、奥歯をかみ締めたはずだ。

※ポジションの略称=PG(ポイントガード)、SG(シューティングガード)、SF(スモールフォワード)、PF(パワーフォワード)、C(センター)。

 そして今年、ウェスタンからはまたもウォリアーズが勝ち上がってきた。まさに、その仮説を立証する絶好のチャンスが訪れたというわけだ。

 キャブスは、ファーストラウンド(対デトロイト・ピストンズ)とカンファレンス・セミファイナル(対アトランタ・ホークス)をともにスウィープ(4勝0敗)で楽々と破り、カンファレンス・ファイナルこそアウェーで2敗を喫するも、慌てることなく4勝2敗でトロント・ラプターズを退けた。まるで、スキップでもするかのような足取りでファイナルの舞台に駒を進めている。

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