「トップ10キープには満足」。錦織圭、未知のトップ3を目指して

  • 神仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 錦織圭(ATPランキング6位、10月5日付け、以下同)は、楽天ジャパンオープンテニスの準決勝で敗れ、タイトルをディフェンドすることができなかった。

ジャパンオープンはベスト4どまりで、連覇はならなかった錦織圭ジャパンオープンはベスト4どまりで、連覇はならなかった錦織圭 2回戦以降、錦織はビッグサーバーとの連戦となったが、その2回戦でサム・クエリー(同50位)にストレートで勝って、15年シーズンでのマッチ50勝目に到達した。ノバク・ジョコビッチ(同1位)の68勝、アンディ・マリー(同3位)の61勝、ロジャー・フェデラー(同2位)の53勝に続いて、ツアーで4番目の好成績だ。

 「今までで一番充実して、どの大会もいい結果が出ている。安定してきているなと感じます。それが、一番自分の必要なことであり、これから必要なこと。結果として、数字で見ることができるのは、嬉しいです」

 もともと錦織は、やや遅めのハードコートが好きで、最も得意としていたが、最近では、有明コロシアムのような球足の速いハードコートでもうまく対処できるようになり、勝利につなげている。それは、錦織のプレースタイルが、2014年シーズンからマイケル・チャンコーチとの取り組みによって、より攻撃的になっていることと無関係ではない。

「速いコートの方が、サーブからの展開で、攻撃的に、もっと早いタイミングで進められる。ただ、リターンからは難しくなりますけど、自分のテニスに合っています」

 続く準々決勝から、錦織は、右肩にテーピングをしてのプレーとなり、メディカルタイムアウトをとって、「ちょっと痛かった」という右肩のマッサージをしてもらうなど、不安が残った。マリン・チリッチ(同14位)には、サービスエースを23本も打ち込まれたものの、「自信を持ってリターンゲームができた」という錦織が、ミスも多かったチリッチから、3-6、7-5、6-3で逆転勝ちを収めた。

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