【ラグビーW杯】母国の代表の座を捨ててまで日本を選んだ男たち

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji  photo by Getty Images

外国出身の「桜の戦士」はどういう経緯でメンバー入りしたのか?(後編)

 ラグビー日本代表が南アフリカ代表相手に歴史的勝利を飾った翌日、その立役者となったFB(フルバック)五郎丸歩がツイッターでつぶやいた、日本代表のユニフォームを着て戦う外国人選手にもスポットを当ててほしいとの内容は、ワールドカップの報道のなかでも視点の違った関心事として注目を集めた。

南アフリカ代表を倒して喜び合うカーン・ヘスケス(左)とマレ・サウ(右)南アフリカ代表を倒して喜び合うカーン・ヘスケス(左)とマレ・サウ(右) 今大会の日本代表メンバー31人のうち、外国出身の選手は10人。そのうち日本国籍を取得している5名は、前回のコラム(【ラグビーW杯】日本代表を彩る「外国出身選手」の異色な経歴)で紹介したとおりだ。今回は、残る5人の外国籍の日本代表選手がどんな人物なのか、スポットを当ててみたい。

 まずは、日本代表のBK(バックス)陣を見てほしい。そのリストに控える外国籍選手の面々は、いずれも世界クラスの実力を誇るラガーメンばかりだ。

「ワールドカップ史上最大のアップセット(番狂わせ)」と評された南アフリカ代表戦――。終了寸前に決勝トライを決めたのが、宗像サニックスでプレーしているWTB(ウィング)カーン・ヘスケス(30歳)だ。

 ニュージーランド出身のヘスケスは、2010年に来日。日本での生活は6シーズン目を迎えている。妻のカーラ・ホヘパは2010年の女子ラグビーワールドカップにニュージーランド代表として出場し、トライ王を獲得。さらに年間最優秀女子選手にも輝くなど、夫婦そろってインターナショナルレベルで活躍するラグビー選手だ。

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