【ラグビーW杯】エディー・ジョーンズが残した「最大の功績」とは?

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji  photo by AFLO

 また、ラインアウトの強化では、2012年5月から元イングランド代表主将のスティーブ・ボーズウィックを招いている(引退後の2014年6月から正式なコーチに就任)。ジョーンズHCは自らを「戦術コーチ」と名乗り、年齢や国籍を問わず、自分より優れた経験や知識を持つ人にはコーチとして他の分野を積極的に任せてきた。

 もちろん、ラグビーの原点である「フィジカル」の強化も怠ってはいない。いくらパスやランを駆使しても、ラグビーという競技の性質上、コンタクトを避けることはできないからだ。

 この分野は、オーストラリア代表やサントリーでジョーンズHCとともに戦ってきた盟友――ジョン・プライヤーが担当した。そして、じっくりと3年5ヶ月をかけて、日本代表選手の筋力アップに努めてきたのである。早朝5~6時からの練習は当たり前、飛行機で移動する当日に3部練習を行なった日もあったほどだ。さらに今年に入ると、FW陣にはグラウンド練習の前に必ず筋肉トレーニングを行なうように指示している。

 身体を大きくするのと同時に、身体の使い方についての指導には総合格闘家の髙阪剛を招いたり、スピードトレーニングの分野で世界的権威のコーチも呼んだ。これらの強化を見るとおり、フィットネスがあり、強く、大きく、速くプレーできれば、最後まで強豪相手でも戦えるようになると考えたからだ。

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