フロリダ在住、大坂なおみ。全米OP覇者を倒した17歳 (5ページ目)

  • 内田暁●構成 text by Uchida Akatsuki   photo by Getty Images

 セリーナと「ご近所さん」であるフロリダのアカデミーに大坂が招かれたのは、昨年5月のことだった。それまで父親がコーチだった大坂は、技術面とフィジカル面を担当するふたりのコーチの指導を受け、フットワークや戦術面の技術と知識を授けられたという。

 14歳から肩書的に"プロ"として戦ってきた大坂だが、年齢規制等に阻まれ、一般の大会に多く出られるようになったのは最近のこと。そのタイミングで恵まれた環境に移れたのは、才能の原石を磨く上で理想的な足跡なのかもしれない。なお、大坂の身長は、公式プロフィール上では5フィート11インチ(約180センチ)となっているが、測ったのはかなり前で、今はもう少し高いはずだという。技術や戦術面はもちろん、肉体的にもまだまだ成長過程のようだ。

「将来の夢は?」

 そんなありきたりの質問には、「ありきたりな答えだけれど」とはにかみながら、「世界1位と、可能な限り多くのグランドスラムタイトルを獲ること」と、か細い声で即答する。控え目な口調と掲げた目標のギャップに、スケールの大きさを感じさせた。期限付きの大きな目標としては、2020年の東京オリンピック日本代表がある。

 なお、テニス以外での夢はというと......。

「ビヨンセに会うこと! セリーナが憧れだって言っていたら、本当にセリーナに会えた。だから、ビヨンセが好きって言い続けていたら、いつかビヨンセにも会えるかしら?」

 年相応な可愛い野望を胸に秘める、宇多田ヒカルも好きな17歳――。目指す究極のプレイヤー像は、「観客に楽しんでもらえる、エンターテイナー」だ。

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