価値あるベスト4。若き日のフェデラーと重なる錦織圭の快進撃

  • 神 仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi photo by Ko Hitoshi

 錦織圭が、初出場のワールドツアーファイナルズでベスト4に進出した。これは、大会初出場に続き、日本男子としてはもちろん、アジア男子としても初となる歴史的快挙だ。

フェデラー(右)に敗れたものの、2勝1敗でツアーファイナルズ準決勝に進出した錦織(左)フェデラー(右)に敗れたものの、2勝1敗でツアーファイナルズ準決勝に進出した錦織(左) 自己最高のATPランキング5位になってから初めて臨んだこの大会、錦織はラウンドロビン(RR)の初戦で、過去3戦3敗のアンディ・マリー(6位)と対戦すると、地元イギリスの英雄を6-4、6-4で破り、ツアーファイナルズのデビュー戦で初勝利を飾った。

 錦織は、カウンターショットを得意とするマリーのお株を奪うように、ベースラインの中へステップインして攻撃的なグラウンドストロークで主導権を握ると、マリーからの初勝利をつかみ取った。

 マリーは昨年秋に腰の手術をして以来、2、3年前の好調時のテニスをまだ取り戻せていないものの、世界トップのひとりであることに変わりはなく、その彼が錦織の今シーズンの成長を次のように評価した。

「(錦織は)よりチャンスをものにでき、以前よりさらにアグレッシブになった。ストロークでは、ボールを早く捕らえ、コースを変えられる。彼は優れたショットメイカーだ」

 こう評された錦織は、トップ8人が集うツアーファイナルズでの初勝利によって、トッププレーヤーとしての自信をより深めた。

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