bjリーグ青木康平「日本バスケ界を代表する選手がもっと発言すべき」

  • 小永吉陽子●取材・文・写真 text&photo by Konagayoshi Yoko

日本バスケ界に一言(2) ライジング福岡・青木康平編

 日本のバスケットボール界が危機的状況を迎えている。FIBA(国際バスケットボール連盟)は低迷する日本のバスケ界に向けて、2020年東京オリンピック開催決定を機に、「JBA(日本バスケットボール協会)のガバナンス強化」を筆頭に、「統一リーグ問題」「男子強化及び育成」の3点を指摘している。これらの改善および、統一リーグ設立に向けた改革案を10月31日までに提出しなければ、JBAの資格停止処分、すなわち国際大会出場の禁止処分を下すとの警告がなされている。改革案の途中経過しか報告できなかった日本は制裁が免れない状態だ。

 今、いちばん必要なのは現場で戦う者たちの声だが、これまでバスケット界ではその声が聞こえてこなかった。選手たちが「思い」を発信することは議論を生み、バスケット界の発展のために不可欠ではないか――。

 選手の声を聞く第2回は、リーグ設立初年度から持ち前の1対1の強さで活躍し、bjリーグの顔といえる存在の青木康平選手(ライジング福岡)。中学、高校、大学と強豪チームで活躍しながら、ストリートボーラーとしての道に進み、その後プロに転向したみずからを「ドロップした選手」だと言う。「バスケ界の理不尽なことには、おかしいと発言したい」という気概を持つ青木選手に、トップリーグの環境および、日本のバスケ選手の自立の必要性について話を聞いた。

――日本にトップリーグが2つあることをどう思っていますか?

青木 選手目線では統一してほしいです。それは誰しも思っていると思います。政治的なものを抜きにして、一番わかりやすいのはリーグがひとつになること。ただ、それがどれだけ壁が高いことかも理解しています。

――どういう壁があると思いますか?

青木 どっちのリーグが良いか悪いかは別として、企業チームは集客数があまり影響しない。選手も与えられたいい環境でバスケをしている。逆に僕らは観客数が経営に影響して、環境にも恵まれていないチームが多い。彼ら(NBL)にとってはリーグがひとつになることでデメリットがあるのではないでしょうか。企業という看板が外れてしまったら、今までの環境からガラッと変わってしまい、それは企業チームの選手にとっては辛いことだと思うんです。

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