【女子バレー】世界選手権開幕! ハイブリッド6は通じるか?

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●写真 photo by Sakamoto Kiyoshi

「誤解があるようなので言っておきますけど、私はMB(ミドルブロッカー)が要らないなんて、一言も言っていません。MBは欲しい、ただし点のとれるMBが。私がもし(強力な攻撃力を持つMBを擁する)ロシアやブラジルの監督だったらこんな戦術は考えなかったでしょう」

 先月行われたワールドグランプリ最終ブラジル戦後の会見で、眞鍋監督の口から飛び出したコメントだ。9月8日に行なわれた記者会見でも、同じ言葉を繰り返した。つまり、これこそが新戦術採用に関する眞鍋監督の本音なのだ。

新戦術「ハイブリッド6」のカギを握る!? 迫田さおり新戦術「ハイブリッド6」のカギを握る!? 迫田さおり

 日本は昨年11月に行なわれたグランドチャンピオンズカップ(以下グラチャン)で、1人のMBの位置にサイドアタッカーを入れるMB1を取り入れ、先に行われたワールドグランプリでは、それをさらに進化させた新戦術「ハイブリッド6」を採用し、グラチャンの銅メダルを上回る銀メダルを獲得。このまま世界選手権もこの戦術を推し進めるという。リオ五輪に向けて、ハイブリッド6という一本の線が引かれたということになる。

 ハイブリッド6という新戦術の名前をワールドグランプリのファイナル大会の前日にお披露目したとき、眞鍋監督が強調していたのは、「MB1というと、どうしてもMBが1人いない、1人だけというマイナスのイメージが強いじゃないですか。今度は違います。ハイブリッドなんです」

 時間をさかのぼって、テレビ中継で見た予選ラウンドの間は、MBは1だったり、0になったり、かと思えば普通に2人いたり、どういうことなのかな? と思いつつファイナル前日の「新戦術名発表」を待った。

 ハイブリッド6を初めて耳にしたときのことについて選手に聞くと「燃費がいいって感じですよね」(長岡望悠)、「どうしても車が最初に思い浮かんでしまって」(新鍋理沙)と、やはり高燃費自動車のイメージが強かったようだ。

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