【男子バスケ】W杯開幕。本命アメリカの対抗馬は?

  • 宮地陽子●文 text by Miyaji Yoko photo by Getty Images

 いよいよ今週末、8月30日(日本時間8月31日)から、スペインにてワールドカップが始まる。

「え? ワールドカップはとっくに終わったよ」と、思った人もいるかもしれない。今から始まるのはFIFA(国際サッカー連盟)が主催するサッカーの大会ではなく、FIBA(国際バスケットボール連盟)――つまり、バスケットボールのワールドカップだ。

若いアメリカ代表を引っ張るポイントガードのデリック・ローズ若いアメリカ代表を引っ張るポイントガードのデリック・ローズ この大会は、4年前の前回まで「FIBA世界選手権」と呼ばれていたが、今回から「ワールドカップ」に名称が変更された。次の大会からは、サッカーのワールドカップと開催年をずらして2019年に開かれることや、予選を集中開催方式からホーム&アウェイ方式に変更することなどが決まっている。世界的に人気スポーツのバスケットボールだが、世界大会の盛り上がりはサッカーに遅れを取っているだけに、さらなる盛り上がりを期待してのことだ。今回は新システムに変わる前の最後の大会であり、「ワールドカップ」と名称を変えて最初の大会でもある。

 今大会、出場する国は24ヶ国。開催国のスペインと、ロンドン五輪で優勝したアメリカに加え、各大陸の予選を勝ち上がってきた22ヶ国の計24ヶ国が、4つのグループに6チームずつ分かれ、スペインの4都市(グラナダ、セビリア、ビルバオ、ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア)でグループ内総当たり戦を行なう。各グループの上位4チーム、計16チームが決勝トーナメントに進み、トーナメントで4回勝つと優勝するという仕組みだ。トーナメントはマドリッドとバルセロナの2都市で行なわれ、決勝戦は9月14日にマドリッドで開催される。

 優勝候補の筆頭は、2010年の世界選手権トルコ大会、そして2010年の前後2回の五輪(北京・ロンドン)も優勝しているアメリカだ。とはいえ、決して盤石というわけではない。もともと若手中心のメンバー構成だったが、7月下旬からの代表合宿でポール・ジョージ(インディアナ・ペイサーズ/SG)が故障して抜け、その直後にケビン・デュラント(オクラホマシティ・サンダー/SF)も精神的・肉体的疲労を理由に代表辞退したことで、さらに若く、経験の浅いチームとなった。NBAでのMVP受賞経験者は、故障明けのデリック・ローズ(シカゴ・ブルズ/PG)ひとりで、オールスター経験者もわずか6人と、2年前のロンドン五輪と比べると、だいぶスケールダウンしたといえる。

※ポジションの略称=PG(ポイントガード)、SG(シューティングガード)、SF(スモールフォワード)、PF(パワーフォワード)、C(センター)。

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