【男子バスケ】富樫勇樹、NBAと日本代表に挑んだ夏

  • 小永吉陽子●文・写真 text &photo by Konagayoshi Yoko

この夏、バスケットボール界は一人の若者の動向から目が離せなかった。富樫勇樹、21歳。彼が決断した選択は、ファイナルまで進出したbjリーグの秋田を離れ、NBAへの登竜門と言われる7月のサマーリーグ参戦を果たすことだった。そして8月には、若手中心の日本代表に選出され、国際親善試合のジョーンズカップに出場した。誕生日である7月30日を挟んで、この夏2つのビッグチャレンジに挑んだ富樫。NBAを目指した理由と手応え、そして今後について、ジョーンズカップが行なわれた台湾にてインタビューを行なった。

富樫勇樹インタビュー(1)<NBAサマーリーグ編>

bjリーグで自信がついたので、
もう一度、海外に挑戦しようと思った

日本バスケの未来を担う若手として期待される富樫勇樹日本バスケの未来を担う若手として期待される富樫勇樹 日本人では史上4人目となるNBAサマーリーグのロスター入りを果たした富樫勇樹(過去には田臥勇太、川村卓也、竹内公輔()がロスター入り)。

 ダラス・マーベリックスの一員として、5試合のうち4試合コートに立った富樫は、7月16日のシャーロット・ホーネッツ戦に10分51秒出場し、3ポイントや1対1からのフローターシュートなどで12得点をあげて見せ場を作った。NBAのドラフトに直接つながるほどのインパクトとはいえなくても、167㎝の東洋人がサマーリーグで注目を集めたことは、日本のバスケットボール界にとって、久々に沸いた明るいニュースだった。
※田臥勇太(2003、04、06、08年にサマーリーグ出場。04年のサマーリーグ後、NBAフェニックス・サンズの一員として公式戦に出場)
川村卓也(09年サマーリーグに出場後、帰国)
竹内公輔(10年サマーリーグに出場後、帰国)

 富樫勇樹の海外挑戦は、父・英樹氏が指導する新潟県の本丸中学校(現在は新潟県の開志国際高で指導)で全国制覇を遂げたあとから始まった。彼が進学先に選んだのは、アメリカのメリーランド州にあるモントロス・クリスチャン高。今回は高校以来となる二度目の渡米だった。彼がアメリカに突き動かされる理由とは――

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