釜石市が開催地に立候補。2019年ラグビーW杯のいま

  • 松瀬 学●取材・文・写真 text&photo by Manabu Matsuse

「サーッサ、ヨイヤッサ!」

 台風直撃の8月9日。雨の中、釜石市民が掛け声をかけ、市内の目抜き通りを踊りながら、練り歩く。日本選手権7連覇の"北の鉄人"新日鉄釜石ラグビー部の流れをくむ地域クラブ「釜石シーウェイブス(SW)」のメンバーたちも、真っ赤なTシャツ姿で跳んだりはねたり、笑顔で行進した。

 釜石よいさ祭りで、雨天の中、行進する釜石シーウェイブスの選手たち釜石よいさ祭りで、雨天の中、行進する釜石シーウェイブスの選手たち 釜石市はこのほど、2019年に日本で開かれるラグビーワールドカップ(W杯)開催都市への立候補を表明した。この伝統の祭り、『釜石よいさ』に初めて参加した43歳の元日本代表フォワード、伊藤剛臣が踊りながら、W杯への思いを口にした。

「立候補はうれしいですね。誇りに思います。ここは7連覇の伝説の地ですから。ここでプレーできることに感謝しています。自分たちが頑張って、ワールドカップ招致をもりあげていきたい」

 誘致の始まりは、東日本大震災直後の3年前にさかのぼる。新日鉄釜石ラグビー部OBらでつくる復興支援NPO「スクラム釜石」が市に提案した。紆余曲折を経て、「夢物語」がようやく現実味を帯びてきた。

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