【ラグビー】戦力アップの「サクラセブンズ」がリオ五輪へ猛進!

  • 松瀬学●取材・文 text by Matsuse Manabu photo by Matsuse Manabu

 摩天楼都市の香港。グラウンド周辺の超高層ビル群の上空を濃い霧が覆う。この地独特の蒸し暑さの中、リオデジャネイロ五輪を目指す7人制ラグビーの日本女子(愛称・サクラセブンズ)が香港女子セブンズに出場し、成長の跡を示した。

リオ五輪出場を目指す7人制ラグビー日本女子・サクラセブンリオ五輪出場を目指す7人制ラグビー日本女子・サクラセブン「底上げ? それはできたと思います」。浅見敬子ヘッドコーチ(HC)の表情が少し、やわらぐ。18歳が3人という若手主体編成の日本選抜として臨みながら、過去最高の4位と健闘した。

「でも満足とまではいかないですよ。最後、勝てると思っていましたから」

 3月28日の香港女子セブンズ。最後の試合とは、3位決定戦の南アフリカ戦だった。開始直後、日本は攻めに攻めた。一発で走りきるスピードスターは、いない。でもポイントをしつこくつくり、右に左に粘り強く展開し、ざっと3分間も攻め続けた。
 
 だが、相手ゴール前でミスを犯し、PKから逆襲され、独走トライを許してしまった。いつもの日本のパターンである。土壇場で我慢しきれない。試合の最後も日本のスローフォワードでノーサイドとなった。10-28。

 浅見HCがため息をつく。

「強豪相手だと、こうなってしまう。最後、ミスが出る。そういうところを、払しょくしたいのです」

 そうはいっても、日本はよくやった。2月のワールドシリーズのブラジルセブンズで史上最高の7位となったチームの先発メンバーがほとんどいない。代表経験が少ない選手たちが1次リーグでシンガポール、アイルランドに完勝し、カップトーナメント(上位4チーム)に進出した。

※初戦でシンガポールに36-7で勝利、アイルランドも27-12で下してプールDを1位で通過。準決勝でカナダに敗れ、3位決定戦で南アと対戦して敗戦。

 躍進の理由は、運動量アップとブレイクダウン(タックル後のボール争奪戦)の向上である。猛練習と、オーストラリア人のストレングス&コンディショニングコーチの指導によって、体の柔軟性、高速でのプレー継続力がアップした。スピードの緩急、フィットネスもついてきた。

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