【ラグビー】帝京大の5連覇を阻止するチームは現れるか?

  • 松瀬学●取材・文 text by Matsuse Manabu 井田新輔●撮影 photo by Ida Shinsuke

 大学ラグビーは佳境を迎え、いよいよ第50回全国大学選手権の第2ステージが始まった。王者・帝京大は朝日大戦を102-5の「百点ゲーム」でA組初戦を飾り、追う早稲田大(D組)、筑波大(B組)、明治大(C組)も白星スタートを切った。焦点は、帝京大の空前の5連覇なるか、である。

 これまでの戦いぶりを見ると、帝京大の強さが抜けている。関東大学対抗戦では、12月1日の最終戦で慶応大を75-0で圧倒し、全勝優勝を果たした。なんと言っても、一人ひとりの体幹、フィジカルがしっかりしている。立ってボールをつなごうとの意識が高く、FW、バックスとも簡単に倒れないのだ。

関東大学対抗戦で全勝優勝し、大学選手権では5連覇を目指す帝京大関東大学対抗戦で全勝優勝し、大学選手権では5連覇を目指す帝京大 大学5連覇だけでなく、『打倒!トップリーグ4強』も目標に置いているからだろう、帝京大は今季、体づくりのトレーニングの質量もコンタクト練習も増えた。選手層が厚く、熾烈な部内競争がレベルをさらに押し上げている。

「(攻守の)バランスを重視しています。バックスで行くところ、FWで行くところ、キックでエリアを取るところを考えています」と、日本代表経験を持つSO中村亮土(りょうと)主将は言う。ラグビースタイルは、従来の強力FW重視から、スピード豊かなバックスを加えた「トータルラグビー」に変ぼうした。とくに敵陣ゴール前での圧力は凄まじい。

 レベルの高さは、もはや外国人選手が試合で目立たないことを見ればわかる。負傷で戦線離脱していたCTB権裕人(こん・ゆいん)、FB竹田宣純も復帰の見通し。あえて不安を挙げるとすれば、スクラムぐらいか。

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