【女子バレー】新戦術MB1を採用した眞鍋監督、本当の狙い (4ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi MIkari
  • 坂本清●写真 photo by Sakamoto Kiyoshi

 実を言えば、グラチャンは1993年から始まった歴史の浅い大会で、ワールドランキングにも影響しない。各大陸王者と対戦できる貴重な経験ではあるが、あえて勝敗にこだわる必要性は低い。眞鍋監督はあくまでも「金メダルを獲るための日本オリジナルを試したかった」と言うが、新戦術でこの大会を盛り上げると同時に、大友愛や杉山祥子らベテランが引退、荒木絵里香の結婚・出産による休養でポジション争いにもかげりが見えたミドルブロッカー達へ喝を入れる、そんな狙いもあったのではないか。

 事実、今大会は8月に行なわれたワールドグランプリファイナルよりもテレビ視聴率も上がり、ミドルブロッカー達もどん欲になった。同格以下相手が限定ではあったにせよ、それなりの収穫はあったと見るべきだろう。これをつきつめていくのか、あるいは今大会限りで封印してしまうのか。個人的には、ミドルブロッカーの攻撃のバリエーションを増やす方向で活かされたら、と思う。

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