クルム伊達公子がウインブルドンで手にした「新たなモチベーション」

  • 神 仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi photo by Ko Hitoshi

 ウインブルドンに住むテニスの神様は、クルム伊達公子がお気に入りなのだろうか。そんな想像をしてしまうほど、テニスの聖地といわれる今年のウインブルドンでのクルム伊達の活躍は奇跡的だった。

 クルム伊達は、今年のヨーロッパ遠征で、苦手なクレー(土のコート)シーズンを捨てて、グラス(芝のコート)シーズンに重点を置き、あくまでも目標はウインブルドンと割り切っていた。ただ、4月に軽い肉離れを起こした腰への不安がぬぐえず、ウインブルドンの前哨戦と位置づけていた大会のうち、1大会にしか出場ができなかった。

ウインブルドンでの3回戦進出の最年長記録を更新したクルム伊達ウインブルドンでの3回戦進出の最年長記録を更新したクルム伊達 それでも、クルム伊達はうまく調整を続け、現役再チャレンジ後5年連続でウインブルドンの舞台に立った。1回戦では18歳のカリナ・ビッチヘフトに、グラスコートでの経験の差を見せつけて、17本のウィナーを叩き込み、6-0、6-3。わずか44分で圧勝した。 

「昨年苦しんだ分、2年分の思いを込めた。完璧に近い、自分の求めていたものになった」

 2回戦では、アレクサンドラ・カダンツゥの深いトップスピンボール対して、得意のカウンターショットは見られなかったものの、左手だけでもボールを拾う走力と勝負をあきらめない粘り強さで、6-4、7-5で勝ちきった。

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