【卓球】リオ五輪に向けて。福原愛、石川佳純に続く新戦力の台頭はあったのか?

  • 小川勝●文 text by Ogawa Masaru
  • 戸村功臣/アフロスポーツ●photo by Tomura Atsushi/AFLO SPORT

準決勝で石川佳純をあと一歩のところまで追い詰めた淑徳大3年の松澤茉里奈準決勝で石川佳純をあと一歩のところまで追い詰めた淑徳大3年の松澤茉里奈 リオデジャネイロ五輪に向けた展望は開けたのか。全日本卓球選手権は1月20日、東京の代々木第一体育館で幕を閉じた。ロンドン五輪で団体銀メダルを獲得した日本女子は、世界の強豪国として、どのような日本一決定戦が展開されるか注目された。結果は2年連続で福原愛(24歳/ANA)と石川佳純(19歳/全農)の決勝になり、福原の2年連続優勝となった。来春に東京で開催される世界選手権団体戦、そして3年後のリオデジャネイロ五輪を見すえた時、新しい力の台頭はあったのか。その点について、詳しく検証してみたい。

 福原愛、石川佳純、平野早矢香(ミキハウス)のロンドン五輪3人組は、五輪が終わったあと、すでにリオデジャネイロ五輪に向けて、現役を続行する意思を表明して、右ひじを手術した福原を含め、昨年12月には練習に本格復帰していた。

 だが今回、平野はシングルスで、高校2年の前瀧初音(正智深谷高)に初戦敗退を喫した。7-11、7-11、5-11のストレート負け。この大会、18歳で初優勝を果たして以来、優勝5回を含め、27歳で迎えた今大会まで、初戦敗退は一度もなかった。平野は徹底した練習量で大会に向けて仕上げるタイプだから、五輪のあと、祝賀行事などで、例年に比べれば練習や試合出場が少なかったことは間違いない。本来の練習量に戻って、昨年までの強さが戻ってくる可能性はあるが、それでも、日本の団体戦を考えた時、福原、石川に次ぐ、3番目のイスに座る選手は誰になるのか、その注目度がより高まったことは事実だった。

 大会前は、昨年までの実績と年齢的に見て、今大会で飛躍が期待された選手として、石垣優香(23歳/日本生命)、森薗美咲(20歳/日立化成)、谷岡あゆか(18歳/JOCエリートアカデミー)の飛躍が期待されていた。

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