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【ラグビー】連敗から見えてきたエディー・ジャパンの方向性と可能性 (2ページ目)

  • 松瀬学●文 text by Matsuse Manabu
  • 井田新輔●写真 photo by Ida Shinsuke

 もっとも、「エディー・ジャパン」が目指すスタイルは試合から見えてきた。サイズで劣る分をスピードと技術でカバーする。フィットネスを土台とし、運動量で圧倒する。つまりは走って、走って、走り勝つ「アタッキング・ラグビー」である。

 この日のトライは2本。ひとつはドライビングモールを押し込み、もう1本は、PGを狙ったFB五郎丸歩がポストにあてて、そのボールを自ら拾ってインゴールに飛び込んだ。「こんなトライ初めて」と五郎丸は笑う。

「ホッとしました。"プラマイ・ゼロ"じゃないですか。エディーさんがやろうとしているラグビーは頭では理解できています」

 速い連続攻撃からのトライはなかった。いくらテンポアップしても、突破役がいなくては、リズムに変化が生まれない。トライにはなかなか届かない。

 突破役を入れれば、と聞かれると、ジョーンズHCは笑って否定した。

「ニュージーランドの選手が10人いればクラッシュできる。でも、それをしたいと思わない。ハードワークを課し、ジャパンの勝ち方を探していく。痛みを感じながら成長したい」

 いわば歓喜の前の陣痛みたいなものか。辛抱強くやるから、そうマスコミも騒ぎなさんな、といった風情である。ジョークを飛ばす。

「ラッキーなことに、私は日本語を読めない。妻は新聞を読む習慣がない」

 笑い声を上げながら、目は笑っていない。

「来年は15点差でトンガに勝ちます」

 方向性は悪くない。ジョーンズHCがいえば、なぜか信じたくなる。

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