【テニス】「いい形になっている」。
錦織圭がレベルアップさせた世界で戦うための武器
ナダルに敗れたが、ソニーエリクソンオープンでベスト16に進出した錦織圭 錦織圭が、アメリカ・マイアミで行なわれているソニーエリクソンオープン(グランドスラムに次ぐグレードのマスターズ1000)で、日本男子として初めてベスト16に進出。オーストラリアンオープンベスト8に次ぐ好成績をマークした。
この大会の日本人選手の過去最高成績は、1991年の松岡修造の3回戦進出で、今回、錦織がそれを上回った。
第16シードの錦織は、1回戦は不戦勝。2回戦と3回戦は、共にストレート勝ちを収め、「2試合ともストレートで勝って、プレイが安定しているね。サーブもいい」と、ツアーに帯同するダンテ・ボッティーニコーチを喜ばせた。
錦織が、サーブのフォーム改造に取り組み出したのは、1年前のマイアミ大会からのことだった。世界16位らしい堂々とした勝ち方は、サーブによるところが大きいと錦織も認める。
「変えてからちょうど1年になりますけど、すごくいい形になっていると思います」
さらに、ダンテコーチは、次のように説明を加える。
「(テークバックを)ショートバックスウィングにして、(ラケットの振り出しも)ショートスイングにして、トスが落ち始める前にボールを捕らえて、タイミングを少し早くしました。タイミングが良くなって、サーブが速くなりましたね。まだまだレベルアップしますよ」
大会開幕直前の3月19日付けのATPランキングでは、自己最高の16位に上昇した錦織だが、シーズン中の一時的なランキングは、あまり意識しないようにしているという。
「ランキングのことは、あまり考えないようにしています。何もしていないのに、上がってしまったというか。インディアンウェルズではランキングを気にしすぎて硬くなってしまったので、気にしないようにしています」
ランキングが上昇してから、今年の全豪の時と同じようにマイアミでもナーバスになっている息子の様子を案じて、父・清志さんはこう語った。
「圭は、いつでも現実主義者だから。逆に、少し調子に乗ってもいいんじゃないかって、親としては思ってしまいますね」
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