【男子バレー】春高バレー、ジャニーズとのコラボ...松平康隆のメディア戦略 (4ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 望月仁/アフロ●写真 photo by Mochizuki Hitoshi/AFLO

 当時のプロ野球ニュースの後枠の番組をV6が持っていたのだが、急遽、その中で「コンサートが終わっても、試合を見てね!」とタレントたちに呼びかけさせた。それから段々とジャニーズのファンとバレーボールのファンがリンクするようになり、2003年大会の時などは、表側にジャニーズタレントの名前、裏を返すとバレー選手の名前が書いてあるうちわを持って応援するようなファンが生まれてきた。

 川口によれば、国際大会の会場で松平にあいさつに行くと、毎回、開口一番に言われるのが「君、昨日の視聴率はどうだったね?」ということだった。「とにかく、あんなに視聴率を気にされるスポーツ関係者に会ったことはないですね。解説まで気に留めてあれこれと注文を出してこられたりと、正直うるさがただなと思ったこともありましたが、会長を退かれてからは『真の会長が不在』というイメージで、淋しかったですね。こう言っては何ですが、バレー界だけに置いておくにはもったいない人材だったと思います。たとえばテレビ業界にいれば、どんなにか名物プロデューサーになったことかと思いますね」

 何かと批判されることの多いコート上でのパフォーマンスだが、筆者は個人的には「あり」なのではないかと思っている。というのも、実際にジャニーズのファンがそれをきっかけにディープなバレーファンになるのを目の当たりにしてきたからである。現場の意見はどうなのだろうか。元全日本監督の大古誠司は「最初はそれは戸惑ったよ。でも、なかったらなかったで、淋しいもんだな、と思ったね」と、語っている。
(続く)

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