18歳女子レーサー、小山美姫。
今はF4も「夢はやっぱりF1です」

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

――子どものころからレース一筋だったんですか?

小山 私は運動神経がいいほうで、何でもできちゃうんです。スイミングプールに行っても、1日ずつ進級していっちゃうぐらい。テニスもやったし、極真空手もやったけど、どれもすぐに上達してしまって楽しくないから、結局やめちゃうんです。テアトルアカデミー(総合芸能学院)では母がやらせてみたかった子役もやって、4歳のときにはドラマで菅野美穂さんと共演させてもらったこともありました。でも、カートと出会って、『私の人生だから、勝手に決めないで!』って言って子役もやめたんです(笑)。

――カートの世界は男子だらけで、大変ではないですか。周りに女子ドライバーは?

小山 いなかったですね。でも、そのなかで戦うのも面白いなと思ったんです。野球でも、サッカーでも、普通はスポーツといったら男女が分けられてしまうじゃないですか? でも、レースは男女の差がなく同じ土俵で戦える。私はもともと男っぽい性格だし(笑)、「男に負けんな!」っていう父ちゃんの教えもあったんで、余計に燃えましたね。

――お父さんの教育はスパルタでした?

小山 腕にウェイトを付けさせられて、幼稚園を休んで走りに行ったり、「今から腕立て伏せ200回だ!」「腹筋200回だ!」という環境でしたね。「できないんならやめちまえ!」とも言われていました(笑)。ただ、私もそんなふうに言われて、負けたままやめるのが嫌だったから、努力して、「どんなクルマに乗っても自分が一番速い」って自信をもって言えるくらいにはなりました。実際に何度も勝ったし、チャンピオンにもなったし。

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