手応えあり。ホンダF1総責任者が語った新マシンの仕上がり
新井康久(ホンダF1プロジェクト総責任者)インタビュー 前編
マクラーレンのピットガレージ裏の入口には、月桂樹を模したステッカーがいくつも貼り付けられている。12度のドライバーズと8度のコンストラクターズ王座獲得。1988年から91年までの4つの月桂樹には、HONDAの名が刻まれている。
2015年に23年ぶりの復活を果たすマクラーレンとホンダのタッグは、かつてのような栄光を再び手に入れることができるのだろうか?
2月1日に始まったヘレス合同テストでの結果――わずかな周回数と最下位のラップタイム――に、ファンは失望の色を深めたかもしれない。
しかし、現地ヘレスに漂っていたのはそれとは真逆の雰囲気だった。マクラーレン・ホンダMP4-30はマシン後方が驚くほどアグレッシブに絞り込まれ、初年度からホンダらしい攻めの姿勢をひしひしと感じさせるものだった。
ホンダのF1プロジェクト総責任者の新井康久は言う。
今季F1に復帰したホンダの総責任者、新井康久「今はまだ多くを語ることはできませんけど、ライバルメーカーが見れば悔しがるほどに斬新で、『えっ、ここまで攻めているの!?』と思ってもらえるパワーユニットになっていると思います。各コンポーネントのデザインもそうですが、パッケージそのものも斬新です。よくここまで考えたなというアイデアを使っています。MP4-30は"サイズゼロ・カー"というコンセプトの下にデザインしてきましたから、それを実現するためにかなり工夫をしました」
ライバルのマシンと比べても、MP4-30のサイドポッドからリアエンドへのフォルムは驚くほど小さく、激しく絞り込まれている。
1 / 4