【エアレース】今季終了。日本人パイロット・室屋義秀が奮闘

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Redbull

 10月25、26日、オーストリア・シュピールベルクで「レッドブルエアレース・ワールドチャンピオンシップ2014」(以下、エアレース)の最終戦が行なわれた。

オーストリアで行なわれた2014年エアレースの最終戦オーストリアで行なわれた2014年エアレースの最終戦 3年の休止期間を経て復活した今年のエアレース。アブダビで行なわれた開幕戦(レポートはこちら)からおよそ8カ月、この最終戦で年間総合順位が確定するとあって、各パイロットはいずれも意欲的な姿勢を見せていた。

"侍パイロット"、室屋義秀も例外ではない。

日本人パイロットの室屋義秀は年間総合9位だった日本人パイロットの室屋義秀は年間総合9位だった 室屋は09年にアジア人として初めてエアレースに参戦し、今年が3年目のシーズン。4月にクロアチアで行なわれた第2戦では、自身過去最高位となる3位入賞を果たし、念願の表彰台にも初めて立つことができた。

 しかし、10月にアメリカで行なわれた第7戦までを終えた時点で年間総合順位は9位と、シーズン前に掲げた「上位半分(6位以上)」には届いていない。それだけに、この最終戦で上位に食い込んでポイントを獲得し、ひとつでも順位を上げるべく、レースに臨んだ。

 まずは、25日に行なわれた予選のフライト。室屋は上々の滑り出しを見せる。

 各パイロットが2本ずつを飛び、ベストタイムで順位を決める予選で、室屋は2本目に57秒447のタイムを出して7位につけた。「さまざまな条件を考えたうえで想定していたベストタイムを出すことができた」と、フライト直後には思わずガッツポーズが出るほどの出来だった。

 6位とのタイム差は0.2秒を切り、3位との差も0.6秒ほど。翌日のトップ12(準々決勝)以降に期待が高まるフライトで予選を終えた。

 ところが、マッチプレー方式で行なわれるトップ12(予選順位に応じて、1位対12位、2位対11位......、6位対7位が対戦し、勝者6名+敗者のなかから上位タイムの2名が勝ち上がる)で、最初に飛んだ室屋のタイムは58秒335。翌26日は前日に比べて気温が3度上昇していたため、「タイムが落ちることは予想できた」とはいえ、室屋自身、「どこでミスをしたのか......」と頭をひねるほど、その落差は大きかった。

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