【F1】盛況?ガラガラ?現地発、韓国GPの実態レポート (2ページ目)
たしかに、フリー走行が行なわれた金曜日は2万863人で観客の姿はまばらだった。しかし、それはどこの国のグランプリも似たようなもの。ちなみに、バーレーンGPとアブダビGPのサーキットの収容数は5万で、その2倍以上の12万もの収容数を誇るサーキットなのだから、"ガラガラ"に見えるのはある意味当然のことだ。しかし、土曜日には5万8243人を動員、3日間の動員数はのべ15万8163人となった(2012年は16万4152人)。
韓国GPが行なわれたコリア・インターナショナル・サーキット、決勝日のグランドスタンドphoto by Yoneya Mineoki もちろん、そのすべてが自分でチケットを購入した人ではないかもしれない。以前から韓国GPは動員を確保するために地元住民に観戦チケットを無料で配布していると言われている。しかし、日曜限定ではなく3日間有効のチケットを持っている観客も多く、それは無料配布のチケットではない。
今年は、チームウェアに身を包んで応援する観客が着実に増えており、土曜日に行なわれたドライバーのサイン会には大勢のファンが詰めかけた。彼らは3日間有効チケットを購入した人たちであり、ドライバーたちには黄色い声援が飛んでいた。また、今年2月には、英国の雑誌『F1RACING』韓国版に続いて、モータースポーツ専門誌『RACE WEEK』が誕生しており、韓国でもF1ファンは増えつつある。
土曜・日曜のセッション後には有名K-POPアーティストによるコンサートがサーキット内のステージで行なわれていた。観戦チケット保有者が観覧できるため、それを目当てに訪れた人もいただろうが、こうした試みはシンガポールなど他のグランプリでも行なわれている。日曜には入場ゲートで観戦ガイドや応援グッズ、ウエットティッシュなどが無料で配られ、来場者に少しでも楽しんでもらいたいというおもてなしの心は十二分に感じられた。
過去、韓国GPで「観客が多い方が嬉しい」というドライバーの声があったことも事実だ。だが、それは数年前の話。これまでは、日本GPという世界一ともいえる盛り上がりのグランプリの翌週に開催されていたため、その落差で「寂しい」と感じていたドライバーがいたかもしれない。しかし、開催25回目を迎える日本GPと4回目の韓国を比べること自体にやや無理がある。
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