【F1】小林可夢偉は来季シート争いに割って入れるか?

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki photo by Yoneya Mineoki

 また、可夢偉の古巣であるザウバーは、ロシアから巨大資金が入り、財政難から脱却。実力重視のドライバー選定を行なう可能性が出てきた。すでにセルゲイ・シロトキンという18歳のロシア人ドライバーが史上最年少F1ドライバーとしてデビューすべくチームに合流しているが、ロシアだけに、本当に資金が支払われるのか疑問視する向きもある。

 もしザウバーの資金難が解決しない場合、これ以上のチーム消滅を望まないF1界のボス、バーニー・エクレストンの支援を受けて、彼の意を受けたドライバーが走ることになるだろう。ホンダの参戦が迫り、日本GPの開催契約を5年間延長したエクレストンとしては、日本人ドライバーの存在は重要と考えているようだ。

 レッドブルとライコネンの決断から動き出した、2014年のストーブリーグ。水面下で激しい交渉合戦が行なわれ、その中に可夢偉も加わっている。可夢偉がチャンスをつかむためには、自分の持っている資金と経験を最大限に活用する必要がある。もしくは、妥協してでもF1復帰を優先させることも必要かもしれない。

 これから11月のシーズン閉幕まで、アジア、北米、南米での「フライアウェー戦」に突入したF1は3回の2週連戦というラストスパートの時期に入る。8週間で6戦が行なわれる過密スケジュールの間に、来季のシートは続々と埋まっていくだろう。F1各チームの体制変動を楽しみながら、「日本人ドライバーのF1復帰」という朗報が届くことを期待したい。

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