【MotoGP】悲願の王座獲得へ。ダニ・ペドロサが地元で見せた強さ

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira  竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

第3戦スペインGPは地元の大声援を受けたダニ・ペドロサが優勝した第3戦スペインGPは地元の大声援を受けたダニ・ペドロサが優勝した ダニ・ペドロサ(レプソル・ホンダ・チーム)は第3戦スペインGPで優勝を飾り、ヘレスサーキットの表彰台獲得率100%という驚異的な記録を今年も維持した。

 最高峰クラスに昇格した2006年は開幕戦がこのスペインGPだった。そのレースでは、序盤からトップ争いを繰り広げてMotoGP初レースで2位表彰台。翌年のスペインGPも2位。2008年に優勝を飾り、以後も2位、2位、2位、3位と毎年表彰台を獲得して、今回、2回目の優勝を達成した。

 スペイン出身のペドロサは、ホンダが最もチャンピオンを獲得させたい選手ともいわれており、地元ファンからも大きな期待を寄せられている。今季も開幕前に、スペインの人気バイク雑誌では<ペドロサは今季こそチャンピオンを獲得できるか?>と題して、世界各国のジャーナリストが寄稿する大型特集が組まれた。

筆者もその末席に参加させてもらったのだが、そこでは「昨年後半に怒濤の連勝を重ねた勢いを開幕から維持し、毎年泣かされる不運なアクシデントやケガさえなければ、今年こそ充分にチャンピオンを狙える」と記した。

 トップタイムを何度も連発したプレシーズンテストを見る限りでは、それはかなり現実味の高い可能性であるように思えた。毎日の走行後に話を聞きにいくと、そのコメント内容や雰囲気はいつもと変わらない淡々としたものだったが、その背後には、今年こそ悲願の王座を獲得する、という強い決意と自信が見え隠れしているような気がした。

 しかし、シーズンが開幕してみると、第1戦のカタールと第2戦のオースティンはけっして理想的とはいえないレース内容になった。

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