【MotoGP】最終戦で中須賀克行が2位表彰台獲得!トップライダーたちの結末と未来は?

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeichi Hidenobu

バレンシアでの最終戦、中須賀(写真左)が見事に2位表彰台を獲得バレンシアでの最終戦、中須賀(写真左)が見事に2位表彰台を獲得 第18戦バレンシアGPは、さまざまな話題が横溢(おういつ)した2012年シーズンを締めくくるにふさわしい内容になった。が、日本人としてなによりもまず言及しなければならないのは、中須賀克行(ヤマハ・ファクトリー・レーシング)の2位表彰台だ。

 負傷欠場したベン・スピースの代役として参戦した中須賀は、全日本選手権に参戦しつつ開発ライダーの仕事も担当している。MotoGP初レースは、昨年のバレンシアGP。ホルヘ・ロレンソの代役として急遽参戦し、6位に入った。2回目が先月の日本GP。YZR-M1の開発を行なうヤマハ内の開発チームでワイルドカード参戦し、9位フィニッシュ。そして今回が3回目のMotoGP決勝レースだった。

 日本GP後に中須賀は全日本選手権のチャンピオンを獲得したが、今回のレース前には「それを意識するとかえって硬くなるので、チャレンジャーとしてフレッシュな気持ちで臨みたい。経験のあるコースだから、去年よりは自分の力を出しやすいと思う」と話した。

 とはいえ、その3戦目で、まさか表彰台を獲得することになろうとは中須賀自身、決勝中も想像をしていなかったようだ。

 レースは、濡れた路面が少しずつ乾いていく難しいコンディションで、タイヤ戦略が勝敗の大きな鍵を握る展開になった。ウェット用タイヤのマシンからドライコンディション用のスリックタイヤを装着したマシンへ乗り換えるためにピットインする選手が相次ぐなか、最初からスリックタイヤでスタートした16番手スタートの中須賀は序盤で一気に順位を上げていった。

 だが、中盤周回から終盤にかけて激しいバトルを繰り広げていたときには自分の位置を把握しておらず、「3番、4番くらいを争ってるのかな、と思っていた」という。

「スタート直後は前に人がいっぱいいて、皆がピットに入って順位がごちゃごちゃになってわからなかったから(笑)、とにかく自分の走りに集中した」

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る