[2012年02月05日(日)]
【MotoGP】王座奪回へ。
バレンティーノ・ロッシがセパンで語った本音
- 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
- 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu
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2012年シーズン最初のプレシーズンテストは、例年になく大きな注目を集めた3日間になった。
今年からマシンに関するレギュレーションが大幅に変更され、排気量が昨年までの800ccから上限1000ccへと引き上げられることと、市販車改造エンジンと独自フレームのマシンで参戦するチーム(Claiming Rule Teams/略称CRT)がワークスチームと混走すること等々の話題で、例年以上に大勢の報道陣がマレーシア・セパンサーキットに集まった。
1月31日から2月2日までの3日間行なわれた今回のテストは、昨年のチャンピオン、ケーシー・ストーナー(レプソル・ホンダ)が3日目にひとりだけあっさりと2分の壁を破り、1分59秒607を記録。2番手タイムの2010年王者ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ・ファクトリー)に0.591秒もの差をつけた。ホンダRC213Vのパフォーマンスは上々で、ストーナーとホンダのコンビは今年もチャンピオン最有力候補であることを強烈に印象づけた。
だが、今回のテストでひときわ注目を集めたのは、昨年秋から大急ぎでニューマシンのデスモセディチGP12を仕上げてきたドゥカティワークス、バレンティーノ・ロッシだ。
ホンダ、ヤマハで世界タイトルを何度も制覇してきたスーパースターがオールイタリアンブランドで挑んだ昨年は、マシン開発が迷走を続けてレースキャリア最悪の苦戦を強いられた。それだけに、今回のテストで投入したGP12には、乾坤一擲の大勝負といった感も漂っていた。
ロッシのインプレッションはというと、リップサービスやカモフラージュではなく、本当に手応えをつかんだ様子が、言葉の端々やそれを語る際の雰囲気からもはっきりと窺えた。去年1年間続いた戸惑いや自嘲気味の言葉が嘘のような明朗快活なコメントで、窮地を脱しつつあることはラップタイムにも現れている。
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以下、この3日間に彼が発した言葉を一部紹介したい。プレスリリース等の公的文書にはあらわれない、彼の生の感情の動きをくみ取っていただければ幸いである。
テスト1日目 5th, 2’02.392, +0.735(トップタイム:ホルヘ・ロレンソ:2’01.657)
「トップのロレンソから0.7秒差だから、いいと思うよ。今日は2011年に抱えていた問題を解決できたのでハッピーだ。ブレーキングとコーナー進入が劇的にいい。タイヤも良く作動している。ただ、コーナーからの立ち上がり加速ではまだ挙動が不安定になる。エンジンと電子制御、それに車体も少し関係しているのかもしれない。でも、これも解決できると思う。まだ初日で明日以降やることがたくさんあるけど、ベースはいい。大事なことは、今日、バイクが良くなったということだ。去年はよくても現状維持で、あとは悪くなるだけだったから、それと比べると大進歩だよ(笑)」
テスト2日目 7th, 2’01.886, +0.991(トップタイム:ケーシー・ストーナー:2’00.895)
「昨日からさらに前進した。今日の目標は2分01秒台に入れることだったので、ポジティブな1日だった。旋回時にややアンダーステアが出ることや、立ち上がりの加速の問題も残っているけど、これはバイク自体に手をいれなければならない部分で、現場のセッティングで解決できることではないから、もう少し時間がかかるかもね。でも、去年抱えていた問題の50%は解決できたと思う。ホンダとヤマハはたしかに速いけど、彼らは1年かけてここまでバイクを作ってきたわけで、それと比べるとこっちのバイクは新品だからね。明日はもっとプッシュして、差を見極めたい。トップから1秒以内につけることができればハッピーかな」
テスト3日目 5th, 2’00.824, +1.217(トップタイム:ケーシー・ストーナー:1’59.607)
「去年はとにかくフラストレーションのたまる1年だった。リザルトだけじゃなく、どれだけ頑張ってもバイクがまるでよくならなかったから。でも今回のテストは3日間乗って、ラップタイムがどんどん良くなった。ストーナーを別とすれば、ほかの上位陣とはそんなに離れていないし、初日はロレンソから0.7秒差で、3日目が終わっても0.7秒差というのは、なかなかポジティブな結果と言えるんじゃないかな。抱えている2、3の問題を解決できれば、上位陣にもっと近づける。旋回性については、ヤマハがベストだと思う。ホンダとの比較では、古い記憶だけど(笑)、2003年のマシンと比較すればそんなに劣っていないと思う。僕たちのエンジンは悪くない。速いよ」
この3日間の彼の言葉は、ホンダからヤマハへ移籍していきなりチャンピオンを獲った2004年、最初のセパンテストで発していたコメントに近い印象がある。リザルトの数字にめぼしいものはないものの、その内容の濃さを述べる前向きな雰囲気がそう思わせるのだろうか。
2004年のような劇的な出来事はそうそう起こるものでもないだろうが、ともあれ、2月28日から3日間のスケジュールで行なわれる2回目のセパンテストでのバレンティーノ・ロッシとドゥカティの動静は、注目に値する。




















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