速球より遅球。データでわかる、
ダルビッシュ完全復活へのカギ

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by Getty Images

 メジャー復帰3戦目のヒューストン・アストロズ戦で右肩の張りを訴えて緊急降板し、故障者リスト入りしたテキサス・レンジャーズのダルビッシュ有投手。現在はマイナーでリハビリ登板するなど、完全復活にはまだ少し時間がかかるようです。

故障者リスト入りで再調整に励むダルビッシュ有故障者リスト入りで再調整に励むダルビッシュ有 精密検査をしたところ、「異常は見つからなかった」と球団から発表されました。ダルビッシュ投手も、「肩を検査したが何もなかった」と、あくまで大事をとっての措置だと語っています。しばらくは調整が必要とのことで、メジャー復帰はオールスター明けになるのではないでしょうか。

 トミー・ジョン手術からの復帰後、ダルビッシュ投手のピッチングを見るうえで、重要なポイントは3つに絞られます。この点をクリアしていれば、「完全復活」と言えるのではないかと思います。まずひとつ目は、「球威」。ダルビッシュ投手はあくまで速球を主体としたピッチャーなので、速球のスピードが復活のバロメーターであることは間違いありません。

 5月28日の復帰1戦目では、いきなり最速98マイル(約157.6キロ)を投げて話題となりました。現地メディア『ベースボール・サバント』によると、1試合でのストレートの平均速度は自己ベストの94.17マイル(約151.5キロ)をマークしたそうです。この数字は、手術前データの平均93マイル(約149.6キロ)を上回っています。

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