ワールドシリーズ開幕。勝敗を分けるポイントはココだ!

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by AFLO

 現地10月23日、いよいよワールドシリーズが開幕します。この大舞台まで上り詰めたのは、ア・リーグ東地区のボストン・レッドソックスと、ナ・リーグ中地区のセントルイス・カージナルス。ともに100年以上の歴史を持つ古豪同士で、ワールドシリーズでは4度目の対戦となります。初めて対戦したのは1946年。2度目は1967年。ともにカージナルスが4勝3敗でレッドソックスを下しました。そして3度目の対決となった2004年は、レッドソックスが4勝0敗のスイープでカージナルスを破り、86年ぶりのワールドチャンピオンに輝いたのは記憶に新しいところでしょう。

レッドソックスの絶対的守護神としてワールドシリーズに挑む上原浩治レッドソックスの絶対的守護神としてワールドシリーズに挑む上原浩治 そして4度目の今回は、両リーグ最高勝率チーム同士の対決となります。ともにレギュラーシーズンを97勝65敗の勝率.599で地区優勝し、その勢いを持続させたままワールドシリーズまで駆け上がってきました。両リーグのレギュラーシーズン最高勝率チームがワールドシリーズに進出するのは、1995年のワイルドカード導入以降、非常に稀(まれ)な例となっていて、1999年のニューヨーク・ヤンキース対アトランタ・ブレーブス以来、実に14年ぶりの出来事。現代のメジャーでは、必ずしも勝率の良いチームが勝ち上がってくるとは限らないのです。むしろ、その可能性が低いからこそ、ポストシーズンが盛り上がるとも言えるのですが......。

 では、今回のカードの特徴について紹介しましょう。まず、両チームの投手陣を見れば、「ベテラン対若手の対決」だと思います。「ベテラン」というのはレッドソックス、「若手」というのはカージナルスです。レッドソックスはジョン・レスター(29歳)を筆頭に、クレイ・バックホルツ(29歳)、ジョン・ラッキー(34歳)、ジェイク・ピービー(32歳)と、30歳前後の経験豊かな先発陣でポストシーズンを勝ち抜いてきました。特にラッキーはロサンゼルス・エンゼルスの元エース、そしてピービーはサンディエゴ・パドレスの元エースと、チームの大黒柱として活躍してきたベテランを大舞台で重宝しているのが特徴です。

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