ダルビッシュ&黒田&岩隈。狙うは過去最多43勝以上!

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

ダルビッシュ有、黒田博樹、岩隈久志の3人で今シーズンどこまで勝ち星を積み重ねられるのかダルビッシュ有、黒田博樹、岩隈久志の3人で今シーズンどこまで勝ち星を積み重ねられるのか 2013年のメジャーリーグが開幕して、早くも1ヵ月が経ちました。フタを空けてみると、日本人投手が目覚ましい活躍を見せています。特に先発陣のピッチングには目を見張るものがあり、ダルビッシュ有投手(テキサス・レンジャーズ)は4勝1敗・防御率1.65、黒田博樹投手(ニューヨーク・ヤンキース)は3勝1敗・防御率2.79、そして岩隈久志投手(シアトル・マリナーズ)が2勝1敗・防御率1.67と、いずれも好成績。このまま順調に勝ち星を伸ばせば、3人そろってふたケタ勝利を挙げる可能性が高いと思います。もし実現すると、それは2002年以来、実に11年ぶりのことです。というわけで今回は、過去に日本人投手がどのぐらい勝ち星を積み重ねてきたのか振り返って見ましょう。

 まずは、ロサンゼルス・ドジャースに野茂英雄投手が入団した1995年まで遡(さかのぼ)りたいと思います。日本人メジャーリーガーのパイオニアとなった野茂投手は、ドジャース1年目の1995年に13勝をマークしました。もちろん、この年の日本人投手は、野茂投手ただひとりです。翌年、マック鈴木投手がメジャーデビューするも未勝利。結果、1996年も勝ち星を挙げた日本人投手は、16勝した野茂投手だけでした。

 しかし1997年になると、大きな変化が訪れます。まずは野茂投手に対抗すべく、ヤンキースが伊良部秀輝投手と契約。さらにドジャースと同じ西地区のアナハイム(現ロサンゼルス)・エンゼルスが、長谷川滋利投手を先発投手として獲得しました。その年、伊良部投手は5勝、一方の長谷川投手は3勝。さらにニューヨーク・メッツでデビューを果たした柏田貴史投手も3勝を挙げ、14勝した野茂投手を合わせると、4人で25勝を記録したのです。1997年は、複数の日本人投手が勝ち星を挙げた初めての年でした。

 さらに1998年、メッツに吉井理人投手が入団し、6勝をマーク。日本人投手の合計勝利数は34勝まで増えました(その他、伊良部=13勝、長谷川=8勝、野茂=6勝、マック=1勝)。そして1999年、史上初めて日本人メジャーリーガーのふたケタ勝利投手が3人誕生します。ミルウォーキー・ブルワーズの野茂投手が12勝、ヤンキースの伊良部投手が11勝、そしてメッツの吉井投手が12勝。3人で35勝をマークしたのです。また、それ以外の投手も勝ち星を積み重ね(長谷川=4勝、マック=2勝、大家友和=1勝、木田優夫=1勝)となり、シーズン合計勝利数は43勝まで伸びました。

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