蛯名騎手が早々にクラシックの相棒に指名したディーマジェスティ

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

2016年クラシック候補たち
第8回:ディーマジェスティ

 古くから、春のクラシック戦線を占ううえで、注目されてきた重賞レースがある。例年、2月に行なわれているGIII共同通信杯(東京・芝1800m)だ。事実、ここ数年の勝ち馬を見ても、のちに3歳クラシックを制した馬の名前が並んでいる。

 2014年の覇者イスラボニータは、その後にGI皐月賞(中山・芝2000m)を制覇。日本ダービー(東京・芝2400m)でも2着と健闘した。2012年の優勝馬ゴールドシップも、のちに皐月賞馬となっている。さらに、昨年の勝ち馬リアルスティールは皐月賞で2着と好走し、2着馬のドゥラメンテが皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。

 そして今年も、このレースを制して意気揚々とクラシックに臨む馬がいる。二ノ宮敬宇厩舎(美浦トレセン/茨城県)に所属する、ディーマジェスティ(牡3歳/父ディープインパクト)である。

クラシックで結果を出している共同通信杯の勝ち馬ディーマジェスティクラシックで結果を出している共同通信杯の勝ち馬ディーマジェスティ 昨年9月にデビューした同馬は、初戦、2戦目と苦杯をなめた。それぞれ最速の上がりをマークしながら、逃げ馬をわずかに捕らえ切れなかったのだ。それでも、3戦目の未勝利戦で初の白星をつかむと、GIIホープフルS(2015年12月27日/中山・芝2000m)に果敢に挑戦した。が、レース当日にフレグモーネ(※皮下組織の化膿)を発症。無念の出走取り消しとなった。

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