おまえはもう勝っている? 池江厩舎の「超大物」サトノケンシロウ

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選!新馬情報局(2016年版)
第32回:サトノケンシロウ

 2012年から、種牡馬リーディングのトップに君臨し続けているディープインパクト。さまざまな繁殖牝馬との間で、数多くの活躍馬を輩出しているが、なかでも「ディープインパクトとの相性が特にいい」とされる繁殖牝馬がいる。

 それは、アメリカで種牡馬として活躍したストームキャットを父に持つ繁殖牝馬だ。なにしろ、父ディープインパクト、母父ストームキャットという血統構成からは、優秀な競走馬が次々に誕生しているのだ。

 代表例を挙げれば、2013年のGI日本ダービー(東京・芝2400m)を制したキズナ、2013年のGI桜花賞(阪神・芝1600m)を勝ったアユサン、2014年のGIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)覇者ラキシスらがそうだ。

 昨年の3歳牡馬クラシック(皐月賞、ダービー、菊花賞)でも、同じ血統構成のリアルスティール(牡4歳)が奮闘。皐月賞2着、ダービー4着、菊花賞2着と、勝利こそ得られなかったものの、トップレベルの力があることを示してきた。

 こうして、同様の血統構成から活躍馬が多く生まれ、相性のよさが際立っている配合のことを「ニックス」と言い、当然そうした配合を持つ馬は、デビュー前から注目を集めることになる。

 そして今年も、この「ニックス」を持った若駒がデビューを控えている。サトノケンシロウ(牡3歳)である。

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