ゴールドシップは、有馬名物「奇跡のラストラン」を見せられるか

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

2015最後の大一番、有馬記念展望(3)

 GI通算6勝のゴールドシップ(牡6歳)。その実績は現役では抜けた存在で、名馬の域にあることは間違いないが、その割に、いわゆる"ポカ"が多く、おかげで「気まぐれ」とも「わがまま」とも言われてきた。

 それにしても気になるのは、ここ2走。2走前の宝塚記念(6月28日/阪神・芝2200m)が15着で、前走のジャパンカップ(11月29日/東京・芝2400m)が10着。ここ2戦は連続して、見せ場を作ることなく、馬群に沈んできた。

 凡走しても、次は勝つか、悪くても馬券圏内には絡むというのが、これまでの同馬が誇る"凡走・好走の法則"だった。2013年の秋にも一度だけ、今回と同じく馬券圏外の4着以下に沈む連続敗戦を喫しているが、そのときは京都大賞典(京都・芝2400m)5着、ジャパンカップ15着で、連続ふた桁着順というのは、これまでのキャリアでは初めてのことだ。

 それでも、間近に迫ったグランプリ、有馬記念(12月27日/中山・芝2500m)のファン投票では、12万票あまりの支持を集めて、堂々の1位である。競馬ファンは、概して優等生よりも個性派を好む。要するに、現役屈指の個性派であるゴールドシップを、多くのファンは「困ったやつだ」と思いながらも、一方で「憎めないやつ」と見ているわけだ。

 そんなゴールドシップも、有馬記念が現役最後のレースとなる。

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