【競馬】良血シンハライト。華麗なる一族に大輪をもたらすか

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選!2歳馬情報局(2015年版)
第18回:シンハライト

 3歳馬による牡牝の「三冠レース」の歴史をひも解くと、同じ母親の名前が頻繁に見られる"常連ファミリー"がいる。そういった血統は、競馬ファンにはお馴染みとなって、早いうちから注目を集めることとなる。

 今年デビューを迎える2歳馬の中にも、三冠戦線の常連と言える"賢母"の産駒がいる。シンハライト(牝2歳/父ディープインパクト)である。

「三冠レース」に駒を進めた優秀な兄妹を持つシンハライト。「三冠レース」に駒を進めた優秀な兄妹を持つシンハライト。 シンハライトの母は、現役時代にアメリカのGIデルマーオークス(2005年/アメリカ・芝1800m)を制したシンハリーズ(牝/父シングスピール)。彼女は競走生活を終えて来日すると、現役時代と同様、繁殖牝馬としても素晴らしい活躍を見せている。

 彼女が生んだ第2仔のアダムスピーク(牡/父ディープインパクト)は、2011年のGIIIラジオNIKKEI杯2歳S(阪神・芝2000m)を勝利。デビューからの連勝で重賞タイトルを手にすると、翌2012年の牡馬三冠第1弾、GI皐月賞(18着。中山・芝2000m)に出走した。

 第4仔となったリラヴァティ(牝4歳/父ゼンノロブロイ)も、2014年のGIIIチューリップ賞(阪神・芝1600m)や、GIIローズS(阪神・芝1800m)で3着に入るなど、3歳牝馬のトライアル戦で堅実なレースを披露。この年の「牝馬三冠」レースのうち、GI桜花賞(9着。阪神・芝1600m)と、GI秋華賞(8着。京都・芝2000m)の舞台に挑んで奮闘した。

 さらに、第5仔のアダムスブリッジ(牡/父ゼンノロブロイ)も、デビュー2連勝でオープンクラスの若駒S(京都・芝2000m)を制覇。今年のGI日本ダービー(17着。東京・芝2400m)に駒を進め、「三冠レース」に名を連ねた。

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