【競馬】良血開花なるか。ローズSはトーセンビクトリーに注目せよ

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 新潟、小倉、札幌開催の夏競馬が終わって、先週から中山、阪神開催の秋競馬が開幕しました。とはいえ、先週は『サマーシリーズ()』の最終戦が行なわれたため、夏競馬の名残が若干ありましたね。
※夏競馬を盛り上げるために2006年から行なわれている重賞のシリーズ戦。6月~9月に開催される指定重賞での成績をポイント化し、その総合得点を競うもの。芝のスプリント戦(1000m~1200m)を対象にしたものが『サマースプリントシリーズ』、芝1600m戦を対象にしたものが『サマーマイルシリーズ』、芝2000m戦を対象にしたものが『サマー2000シリーズ』。そして、それらすべてのレースを対象にしたものが『サマージョッキーズシリーズ』。

 一転、今週は3歳牝馬、牡馬の、最後の一冠に向けたトライアル戦が東西で開催されます。阪神では、牝馬のGI秋華賞(10月18日/京都・芝2000m)の前哨戦とも言えるローズS(9月20日/芝1800m)が、中山では、牡馬のGI菊花賞(10月25日/京都・芝3000m)へのステップレースとなるセントライト記念(9月21日/芝2200m)が行なわれます。いよいよ秋競馬へ、本格的に突入ですね。

 牡馬戦線は、クラシック二冠を達成したドゥラメンテ(牡3歳)が負傷で戦線離脱。圧倒的な存在がいなくなって、かなりの混戦模様です。その分、馬券的な妙味は増すかもしれませんね。そういう意味では、牝馬戦線も負けてはいません。ハイレベルな激戦模様で、馬券検討の面白味としては、牡馬以上ではないでしょうか。

 実際にローズSには、本番さながらの豪華なメンバーがそろいました。春のクラシックを制した桜花賞馬のレッツゴードンキ(牝3歳)、オークス馬のミッキークイーン(牝3歳)をはじめ、それに次ぐ実績馬たちもこぞって参戦。さらに、この夏に頭角を現した注目の上がり馬たちが顔をそろえて、まさに秋華賞の行方を占う意味でも、見逃せない一戦となりました。

 春のクラシック2戦で、ともに1番人気だったルージュバック(牝3歳)が不在とあって、注目を集めるのは、やはり前述のレッツゴードンキとミッキークイーンでしょう。ただ、今回の舞台となる阪神・芝1800mの外回りは、この2頭が得意とする距離の、ちょうど中間あたりでしょうか。

 まず、レッツゴードンキですが、同馬が勝った桜花賞(4月12日/阪神・芝1600m)は、稀(まれ)に見る超スローな展開で、1000mの通過が62秒5。しかも、その5ハロン(1ハロン=200m)中、4ハロンで12秒台後半のタイムを計測するなど、ハイペースが通例の桜花賞としては考えらないような、逆の意味での"乱ペース"でした。

 そのため、逃げたレッツゴードンキにとっては、はまりにはまったレース。あの圧勝劇は相当なパフォーマンスに見えますが、それを鵜呑みにはできません。毎回同じようなレースができるとは限りませんし、他馬のマークも厳しくなりますから、過大評価は禁物でしょう。

1 / 2

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る