【競馬】本命不在の3歳牡馬。今秋注目は「春に泣いた」実力馬

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

逆襲の秋(1)
3歳牡馬編

 秋競馬がスタートし、GIシーズンに向けての戦いもいよいよ本格化。こと3歳馬に関しては、牝馬、牡馬ともに三冠タイトルの最後のひとつをめぐる争いが熾烈さを増している。この週末には、牝馬のGI秋華賞(10月18日/京都・芝2000m)の前哨戦となるローズS(9月20日/阪神・芝1800m)に、牡馬のGI菊花賞(10月25日/京都・芝3000m)のステップレースとなるセントライト記念(9月21日/中山・芝2200m)と、それぞれタイトルの行方を占う重要なレースが行なわれる。

 振り返れば、今年の春の3歳クラシックは、牝馬はレッツゴードンキが桜花賞(4月12日/阪神・芝1600m)を、ミッキークイーンがオークス(5月24日/東京・芝2400m)を制覇。牡馬はドゥラメンテが、皐月賞(4月19日/中山・芝2000m)、日本ダービー(5月31日/東京・芝2400m)の二冠を達成した。牝馬、牡馬ともに、世代を代表するにふさわしい実力馬が頂点に立った。

 だが、クラシック開幕前までは"主役"を張るだろうと目されていた馬が、牝馬も、牡馬も、それぞれ他に存在していた。気になるのは、それら春は無冠に終わった馬たちの、この秋の逆襲である。その可能性はあるのか、探ってみたい。

 牡馬戦線で言えば、当初クラシックの主役候補はサトノクラウンだった。デビュー戦を快勝すると、クラシックの"登竜門"東京スポーツ杯2歳S(2014年11月24日/東京・芝1800m)、皐月賞トライアルの弥生賞(3月8日/中山・芝2000m)と、重賞を連勝。一躍、クラシックの"本命"に躍り出た。しかし、1番人気で迎えた皐月賞は6着。巻き返しを図ったダービーでも3着に終わって、同厩舎(美浦・堀宣行厩舎)のドゥラメンテに二冠を奪取され、主役の座を奪われてしまった。

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