【競馬】混戦オークスで台頭する「根性娘」シングウィズジョイ

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Nikkan sports

2015年クラシック候補たち
第11回:シングウィズジョイ

 3歳牝馬クラシック第2弾、GIオークス(5月24日/東京・芝2400m)への優先出走権(3着以内)がかかったGIIフローラS(東京・芝2000m)が4月26日に行なわれた。勝ったのは、2番人気のシングウィズジョイ(牝3歳/父マンハッタンカフェ)だった。

フローラSを制してオークスの出走権を獲得したシングウィズジョイ。フローラSを制してオークスの出走権を獲得したシングウィズジョイ。 昨年7月にデビューしたシングウィズジョイは、2戦目で初白星を手にすると、オープン特別の野路菊S(2014年9月20日/阪神・芝1800m)に出走。牡馬相手に僅差の2着と健闘し、早い段階から高い能力を見せていた。

 しかし、その後のクラシック出走をかけた重賞やオープン戦では精彩を欠いた。上位争いに加わることなく、クラシック第1弾の桜花賞(4月12日/阪神・芝1600m)出走はならなかった。

 シングウィズジョイが再び軌道に乗ったのは、目標をオークスに切り替えて臨んだ500万下の君子蘭賞(3月28日/阪神・芝1800m)。3番手から直線入口で先頭に立った同馬は、他馬が並んでからもう一度突き放す根性を見せて、久しぶりの勝利を飾った。

 そして、迎えたフローラS。ここでも2番手から直線入口で先頭に立つと、迫るライバルを抜かせない粘り腰を発揮して、勝利をもぎ取った。派手さはないものの、長くいい脚を使える持久力と、たぐいまれな根性を武器に、ついに大舞台へと駒を進めた。

 シングウィズジョイを管理するのは、栗東トレーニングセンター(滋賀県)の友道康夫厩舎。陣営は、同馬について「ここに来ての成長を感じている」と前向きな発言を繰り返しているという。その様子を、関西競馬専門紙のトラックマンが語る。

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