【競馬】桜花賞に挑む「3頭の無敗馬」。一番強いのはどの馬か (4ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 平出氏は、「血統は魅力的でマイル適性も低くないのですが、大幅な馬体減(マイナス20kg)の中、強烈な末脚を見せた前走の反動が心配」だと言う。

 繊細な牝馬にとって、20kgもの馬体減は明らかにマイナス要素。そんな状態にあって、非常にハードなレースをこなし、しかも本番までのレース間隔が短い(中3週)となれば、嫌われるのも仕方がないことかもしれない。さらに、フィリーズレビューの勝ち馬が桜花賞本番での活躍が少ないことも、識者たちの食指が動かなかった理由のひとつだろう。この点については、獣医師の資格を持つ前出の若原記者が補足する。

「馬の性周期はおおむね21日で、発情状態(=フケ)になると能力が減退しやすいことはよく知られています。また逆に、このフケの直前は競走能力が高まる、という説もあります。つまり、フィリーズレビューがこの能力の高まったタイミングだとすると、(4週間後の)桜花賞ではフケの時期と重なっている可能性が高くなります。それが、フィリーズレビューの勝ち馬の(桜花賞での)凡走につながっているのかもしれません」

 何はともあれ、3戦3勝馬が3頭も出走する、ハイレベルなレースは見逃せない。はたして、9割の識者が支持するルージュバックがそのとおりの強さを見せつけるのか、それとも、キャットコイン、クイーンズリングが真の無敗馬として、その存在を誇示するのか。4月12日、運命のゲートが開く。

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