【競馬】新種牡馬ハービンジャーの「出世頭」ベルーフの特性

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

2015年クラシック候補たち
第5回:ベルーフ

 昨年の2歳戦から、産駒がデビューした新種牡馬のハービンジャー。同馬は新種牡馬における2歳リーディングでトップとなり、種牡馬全体で見ても5位という好成績を残した。

皐月賞制覇に標準を合わせているベルーフ。皐月賞制覇に標準を合わせているベルーフ。 そのハービンジャー産駒から、今年の3歳クラシックを狙う有力馬が現れている。4戦3勝のベルーフ(牡3歳/父ハービンジャー)である。

 昨年の10月14日にデビューしたベルーフは、2歳新馬(京都・芝2000m)を快勝。2戦目の百日草特別(2014年11月9日/東京・芝2000m)では、のちにGIIIきさらぎ賞(2月8日/京都・芝1800m)を制す、大物牝馬ルージュバック(牝3歳/父マンハッタンカフェ)の2着に敗れたものの、続くエリカ賞(2014年12月27日/阪神・芝2000m)はきっちり勝利。安定した走りでオープン入りを果たした。

 この3戦で、ベルーフは十分に能力の高さを示していた。だが、4戦目のGIII京成杯(1月18日/中山・芝2000m)で、陣営の同馬に対する期待はさらに大きく膨らむこととなった。

 17頭立てで行なわれた京成杯。ベルーフは、大外17番枠からのスタートとなってしまった。ただでさえ大きなハンデとなる外枠発走。小回りの中山コースでは、なおさら厳しい条件となる。

 そして実際、スタートから後方を進んだベルーフは、道中で内に入ることができず、外を回されることになった。最終コーナーでも大外を回る形となって、インコースを通る馬に比べて、かなりの距離的なロスを強いられた。が、ベルーフはそんな不利をものともせず、大外一気の差し切り勝ち。ハービンジャー産駒初の重賞勝ち馬となったのだ。

 このレースぶりには、ベルーフを管理する池江泰寿厩舎のスタッフからも感嘆の声が漏れたという。関西競馬専門紙のトラックマンが語る。

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