【競馬】チューリップ賞、弥生賞で今年の勢力図が見えてくる!

  • 土屋真光●取材・文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Nikkan sports

 クラシック(※)本番を見据え、今週末の土曜日には阪神競馬場でチューリップ賞(3歳牝馬芝1600m)、日曜日には中山競馬場で弥生賞(3歳芝2000m)と、いよいよ牡牝のトライアルレースが始まる。それぞれの上位3着までの馬にはチューリップ賞は桜花賞へ、弥生賞は皐月賞への優先出走権が与えられ、春の一冠目に向けての展望が明るくなるのはもちろんだが、この2競走はそれだけでなく、今後のクラシック路線を占う要素となりえる部分が大きい。
※3歳牡馬戦線の皐月賞(今年は4月19日に催行)、ダービー(同5月31日)、菊花賞(同10月25日)。3歳牝馬戦線の桜花賞(同4月12日)、オークス(同5月24日)の5レースを指す

ホープフルSを勝ったシャイニングレイ。弥生賞でも人気が予想されるホープフルSを勝ったシャイニングレイ。弥生賞でも人気が予想される

 例えばチューリップ賞で見ると、同じ舞台で行なわれる桜花賞に直結しやすい上に、過去10年で5頭のオークス馬がこのレースを使っている。2008年のブエナビスタを除けば、いずれも勝ち馬ではないものの、ここで力の一端を見せているようであれば、大一番で再度発揮されることが多い。同じ時期に行なわれるフィリーズレビュー(阪神・芝1400m)やフラワーカップ(中山・芝1800m)と比較しても、後の活躍馬が出現しやすく、文字通りクラシックに向けての登竜門となっている。
 
 一方の弥生賞はというと、皐月賞には繋がりにくい一方で、3歳のクライマックスであるダービーとの結びつきは、今さらここで語ることではないほど。昨年のワンアンドオンリー(弥生賞2着)、一昨年のキズナ(弥生賞5着)は、ここで負けてなお強しの競馬を見せており、遡(さかのぼ)るとロジユニヴァース(2009年)、ディープインパクト(2005年)がこのレースと日本ダービーを制している。むしろ傾向としては、皐月賞で好走しないほうが、日本ダービーで好結果に繋がりやすいほどだ。

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