【競馬】中山金杯。初夢託すはディープ産駒のクランモンタナ

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 新年、明けましておめでとうございます。

 競馬界もまた新たな一年が始まりますが、昨年は2週間ほどあった年末の有馬記念(12月28日)から金杯(1月4日)までの間が、今年はおよそ1週間しかありません。そのため、大晦日に追い切りが行なわれて、1月2日には出馬投票。一応、元日はお休みでしたが、中央競馬に携わる人にとっては、通常と変わらぬ忙しさで、あまり年末年始という雰囲気がありませんでしたね。

 そうした状況で行なわれる2015年最初の重賞は、中山金杯(中山・芝2000m)です。有馬記念が一年の総決算とすれば、金杯は事始め。ここから一年の競馬のスタートを切るファンも多く、GIIIのハンデ戦とはいえ、毎年GI並みの盛り上がりを見せています。

 まず注目は、前走のGI天皇賞・秋(2014年11月2日/東京・芝2000m)で4着と好走したラブイズブーシェ(牡6歳)。一昨年の有馬記念でも、オルフェーヴル、ウインバリアシオン、ゴールドシップに次ぐ4着に入線し、超一線級相手にも奮闘してきました。出走馬の中では、実績的には筆頭格と言える存在ではないでしょうか。

 年が明けて6歳になりましたが、今がピークと言える状態です。聞けば、今秋には凱旋門賞参戦も予定しているとのこと。陣営としては、ここはきっちり結果を出して、幸先のいいスタートを切りたいところでしょうね。

 今の勢いからずれば、マイネルミラノ(牡5歳)も有力な一頭です。以前は気性にムラがあって、安定した成績を残せませんでしたが、ブリンカー(遮眼革。馬の視野を制限するための馬具)着用の効果があった昨年は、6戦して4勝2着2回。ほぼパーフェクトな走りを見せて、下級条件から一気にオープンまでのし上がってきました。

 その間のレースの内容も圧巻でした。ほとんどのレースでスピードの違いを見せつけて、そのまま押し切る"横綱競馬"を披露してきました。前走の美浦S(2014年12月14日/中山・芝1800m)でも、テン(最初)からハイラップを刻んで、普通なら大バテしてもおかしくないペースで逃げながら快勝。とにかく強烈な粘りの持ち主で、おそらく後ろから馬が来ると、よりがんばるタイプなのでしょう。

 この手の馬は、万が一出遅れたり、もまれたりすると危ういところもありますが、自分の競馬さえできれば、強さを発揮します。初のオープン戦、しかも初めての重賞挑戦となりますが、十分に勝ち負けできる存在だと思います。

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