【競馬】ダービー馬候補となるか。長距離戦で有望な2頭の若駒

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選!2歳馬情報局
第20回:ミッキーオリビエ&エトランドル

 2歳馬のレースは、2000m以下の"短・中距離戦"で行なわれるが、翌年の日本ダービー(東京・芝2400m)や菊花賞(京都・芝3000m)では、それよりもスタミナを要す"長距離戦"でしのぎを削る。そのため、これらの舞台を見据える2歳馬にとって、「長い距離への適性」は重要な要素になる。

 そんな距離適性において、まだデビュー前ながら、スタッフの期待を集めている馬がいる。栗東トレーニングセンター(滋賀県)の音無秀孝厩舎に所属する、ミッキーオリビエ(牡2歳/父キングカメハメハ)だ。

重賞戦線で奮闘していたミッキーオリビエの母ザレマ。重賞戦線で奮闘していたミッキーオリビエの母ザレマ。 ミッキーオリビエの母は、2009年のGIII京成杯オータムハンデ(中山・芝1600m)を制したザレマ(牝/父ダンスインザダーク)。獲得したタイトルはそのひとつだが、彼女は牝馬限定の重賞レースの"常連"で、度々上位に食い込んでいた。

 関西競馬専門紙のトラックマンが、ミッキーオリビエに対する陣営の期待を伝える。

「大きな馬体ながらも、走りは素軽く、音無調教師はかなり気に入っているようです。『走り出しはエンジンのかかりが遅いけど、スピードに乗るといい走りをする』とのことで、長めの距離が合うと考えているみたいですね。デビュー戦は、11月30日の2歳新馬(京都・芝1800m)を予定しているようです」

 ザレマの初仔であり、ミッキーオリビエの兄にあたるバフチサライ(牡/父チチカステナンゴ)は、5戦0勝と結果を残せなかった。しかし、その兄も母も管理した音無調教師によれば、「兄とはタイプが違い、お母さんに似ている」とのこと。その評価からも、同師の密かな自信が伝わってくる。デビュー戦の結果次第では、ダービー馬候補にリストアップしてもいいかもしれない。

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