【競馬】優秀な母エリモピクシーが送り出す、期待の牝馬 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

 前述のとおり、兄すべてが結果を出している血統の持ち主だからこそ、当然ながらトレセンでの注目度は高い。関西競馬専門紙のトラックマンが同馬について語る。

「10月9日のゲート試験を合格してから、じっくりと調整されていますね。軽めの調教中心で、早いタイムはそれほど出していませんが、陣営からは『おとなしくて乗り味がいい』という評価が出ています。走りからも『いいバネがありそう』とのことで、この血統ならではの素質を感じますね」

 ここまで大きなアクシデントはなく、順調に調教を消化しているレッドベルダ。ゲート試験合格後には、11月1日の2歳新馬(京都・芝1600m)をデビュー戦の舞台に定め、鞍上には新馬の扱いに定評のある、トップジョッキーの福永祐一騎手を確保した。

「これまでエリモピクシーの産駒は、そのほとんどを、ベテランの橋口弘次郎調教師(栗東)が管理してきました。また、この母にとってレッドベルダは、初めての牝馬。そのあたりについては、安田調教師も『どうやって育てていくか、少し難しい面はある』と言っています。ただ、『それ以上に血統的な魅力がある。楽しみのほうが大きい』と、デビュー後の活躍に期待を膨らませているようです」

 エリモピクシーの子を多数預かってきた橋口調教師は、再来年の2月に定年を迎える。安田調教師は初めてこの血統を手がけることになるが、GI6勝(海外も含む)のロードカナロア(牡)をはじめ、マイル、短距離馬の育成では一目置かれている同師なら、心配はいらないだろう。

 コンスタントに活躍馬を送り込む母エリモピクシー。5頭目の産駒レッドベルダは、兄たちのあとに続いていけるか。デビュー戦から目が離せない。

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