【競馬】菊花賞は荒れる。過去の傾向から厳選する穴馬5頭

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Nikkan sports

 3歳牡馬クラシックの最終戦となる、GI菊花賞(10月26日/京都・芝3000m)。昔から、三冠レースの中で「もっとも強い馬が勝つ」と言われているが、近年は波乱の結末も多い。

 過去10年の菊花賞を振り返ってみても、1番人気の本命馬が5勝を挙げている一方で、7~8番人気の馬が4勝もしている。また、12年前(2002年)には、10番人気のヒシミラクルが勝利しており、2000年以降の菊花賞は、本命馬が人気に応えるか、あるいは波乱になるかの"二極化"が顕著になっている。

 菊花賞でこれほど伏兵が台頭するのは、3歳馬にとって未知となる3000mの距離、あるいは、夏場に急激な成長を遂げた"新星"がこの舞台で真価を発揮すること、などが理由だろう。さらに近年は、3歳トップクラスの馬たちが、距離適性を考慮して菊花賞を回避するケースも多く、メンバーが手薄になるため、さらに波乱が起きやすくなっている。

 今年の菊花賞も、皐月賞(4月20日/中山・芝2000m)を制したイスラボニータ(牡3歳/父フジキセキ)が回避。天皇賞・秋(11月2日/東京・芝2000m)に向かう。

 それにより、日本ダービー(6月1日/東京・芝2400m)を勝ったワンアンドオンリー(牡3歳/父ハーツクライ)の「一強」の様相を呈している。同馬は、秋の始動戦となった神戸新聞杯(9月28日/阪神・芝2400m)を勝利して、態勢は万全。当日は圧倒的人気が予想される。が、波乱も頻繁に起こっている菊花賞を振り返ると、思わぬ伏兵に足元をすくわれるケースも頭をよぎる。

 では、いったいどのような馬が「足元をすくう伏兵」となり得るのか。近年、大金星を挙げた菊花賞馬を振り返りながら、今年その可能性がある馬を探してみたい。

 過去10年の菊花賞において、人気薄で勝利した4頭は以下の通りとなる。

2004年:デルタブルース(父ダンスインザダーク)=8番人気(単勝4510円)
2006年:ソングオブウインド(父エルコンドルパサー)=8番人気(単勝4420円)
2009年:スリーロールス(父ダンスインザダーク)=8番人気(単勝1920円)
2010年:ビッグウィーク(父バゴ)=7番人気(単勝2320円)

 4頭を見てまず気になるのが、父ダンスインザダークの産駒が2頭いること。ダンスインザダークは1996年の菊花賞を制し、種牡馬となってからも長距離戦の得意な産駒を数多く輩出。実際、上記2頭以外にも、産駒のザッツザプレンティが2003年の菊花賞を制している。未知の距離だからこそ、ステイヤーの血が頼りになると言えよう。

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